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法月綸太郎「生首に聞いてみろ」

最近読んだミステリ。

法月綸太郎「生首に聞いてみろ」
パズル色の強い短編より、処女長編「密閉教室」から引きずっている苦悩する探偵キャラへの思い入れをモチベーションに読んでいたので、「・・・冒険」より後の短編集は未読ということもあり、久しぶりの法月綸太郎作品でした。もっとも、京極夏彦と宮部みゆき以外で「ミステリ」自体読むのは久しぶりなのですが。

近所の書店では全く見かけず、角川の国産ミステリー新刊買うために新宿まで行かなきゃいけないんだ、と不条理感に駆られることになりましたが、入手後、二、三日で読了してしまったのは流石に国産小説の読みやすさよ。いや、面白かったからですけど。こんなに女に弱い探偵だったかなぁ、法月綸太郎(「・・・冒険」では図書館司書にメロメロだったけれど)という点を除けば、昔の作品と地続きぶりの読後感に満足です。

いまどき、1999年設定とはいえ現代日本を舞台に首切り殺人の謎に挑む名探偵、ってのをギャグ/メタ視されずに描くのは、相当(ひょっとするとSF以上に)大変なことだと思うのですが、本作の場合、序盤にもっと変な話を持ってきたのが秀逸です。そこんとこで読者に変な話耐性を付けさせてから本筋、という展開なので、違和感は意外なほどに感じませんでした。というか、「アウトサイド・キャスティング」という冗談のような設定(美術にも疎いので、本作読むまで全く知りませんでしたが、実在のポップ・アートなんですね)の関係者達という設定を納得させた段階で、読者は人間と物の区別がゆらぐ異世界に入り込むしか無く、その時点で、もう作者の勝ちです。

終盤の、ロスマク系悲劇は、「頼子のために」を書いた作者だったことを思い起こさせて、懐かしさ点も入っての評価ですが、たまにはミステリも良いもんだ、と素直に思いました。

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