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ジェフリー・ウォード「白い果実」


世界幻想文学大賞作だから、というよりは、SFマガジンの絶賛書評につられて、読んでみました。

かなり魔法っぽい謎テクノロジーを持つ独裁者に支配されたディストピアを舞台にした物語ですが、設定の説明は少なくて具体性に欠け、不死や「楽園」という抽象的な何かを目指すプロットと、登場人物の少なさと、反テクノロジ原始コミューン賛美ちっくなラストとがあいまって、いかにも象徴とか暗喩ありげっぽいお話でした。異端審問、収容所、革命、といった結構極端な展開ですが、象徴臭さ故あんまり切迫感はなく、(象徴的なものを無視して)起こったことをそのままジャンル小説的に読んでしまったので、正直、面白くはなかったです。薬漬けで物語と現実との区別がつかなくなるメタフィクション演出も、本作内では、だから何、といった感じなのですが、全三作の続き物とのことなので、そっちへの引きでしょうか。でも、本作内では印象的だった善玉脇役キャラのラルーとかは、続編には出てこなさそうですし。

SFマガジンでの高評価は、訳文リライトを担当した、山尾悠子への思い入れポイントって気もしてきて(リライト故か、読みやすかったのは確かですけれど)、続編読むかどうかは微妙なところです。

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