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J・R・R・マーティン「<<氷と炎の歌>>2 王狼たちの戦旗」

J・R・R・マーティン「<<氷と炎の歌>>2 王狼たちの戦旗」を読了しました。

結局、前作の再読は出来なかったのですが、小説自体がファンタジィではあっても幻想文学ではない、というか、神様や魔法は無いも同然の架空中世で戦争小説なので、読者にさほどの想像力を強要しないこともあり、前作の内容も読んでいれば徐々に思い出してきましたから、すらすら読めました。

壁の向こうで死の行軍を続けるジョン。バトルの多い逃避行中のアリア。陰謀渦巻く嫁ぎ先で怯えるサンサ。狼パワーほか修行中のブラン。息子に煙たがられつつ守る方策を探るケイトリン&サーセイの母親二人。出世してしまったので気苦労が耐えないティリオン&ダヴォス。立場上、強行策を取らざるを得ないスタンニス&シオン。

といった、各キャラ視点の短い章が交互に続く多視点同時進行型小説ですけれど、少なくともこの巻では、同じ場所にいるティリオンとサーセイ編以外では視点キャラ同士が絡まないため、多視点で同じ物を観るという、多視点同時進行型小説ならではの面白さが成立しない、多視点で別の物を観ている小説群の並列的な集まりなのでした。

魔法に一番近いところにいて、かつ、母親の決意バリバリの揺るぎなさを見せるデーナリス編だけちょっと感触が違うのですが、他のキャラは皆、希望は見えないけれど、最悪の事態を避けるべく自分の持ち場でがんばる良い奴ばかり。そして、2段組900ページというぶ厚さにもかかわらず、キャラが多い分だけあってイベントはさして進まないまま終わってしまうため、どこか似たような印象の連作小説集になってしまっています。同じ構成ではありますが、視点キャラである子供達同士の絡みも多かったし、父エダード、という中心を登場人物みんなが意識していた前作に比べるとやや散漫な印象は否めませんでした。

本作も読むこと自体は面白くはあるんですけれど、イベントが少なく(しかも戦闘など具体的内容は「あの戦いから一ヶ月」的な省略が結構なされていたりするので)、似た印象の小説ばかりをずーっと読んでると、さすがにちょっと飽きてくるところもあり、バラしてハヤカワ文庫で月一刊行向けなんじゃないかなぁ、と思ったりします。

3巻も出してくれたら、もちろん読みますけどね。

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