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SFマガジン2005年3月号「2004年英米SF受賞作特集」/佐藤亜紀「天使」

SFマガジン2005年3月号「2004年英米SF受賞作特集」
ヴァーナー・ヴィンジ「クッキー・モンスター」はいかにも「マイクロチップの魔術師」の作者らしい、コンピュータねたと古典的SFの融合話。
ジェフリー・ウォード「アイスクリームの帝国」は芸術家とドラッグの幻覚小説が定番チックにまとまっていますが、それだけかも。
マイクル・スワンウィック「時の軍勢」は、奇妙な仕事、というショートショート風冒頭から、スケールの大きさが楽しかったです。アップルという言葉で何を連想するかで何時代人か判断する、というネタには笑った。けど、ビートルズは歴史に残らなかったのかなぁ。

特集以外だと、山田正紀「イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ」は連作、となっているが話が全く終わっていないので不定期連載かも。アメリカがゲリラに勝てない理由は宇宙人がバックに付いてるから、という珍妙設定がどうなるのか。目標としてるらしい「ハイペリオン」2部作が持つ綺麗な大風呂敷の畳み方とは、正反対の発散系資質の作者だからなぁ。ファン的にも不安。
田中啓文「罪火大戦ジャン・ゴーレ」の第二回は、グロ設定を支えるSFテクノロジーガ徐々に明らかになっていき、描写だけじゃないので今んところはOK。

佐藤亜紀「天使」
ヨーロッパを舞台にしたエスピオナージュ物を翻訳臭い主語強調文体で。美学バリバリながら、強いのか弱いのか良く分からない主人公の設定は、「レオン」のシチュエーションを再現するために設定と物語を作った「ガンスリンガー・ガール」に通ずる不自然さなので、文体に酔えず「鏡の影」挫折した人には、読むのがつらい話、ではあります。終盤登場する親父以外はキャラも淡泊。
大江健三郎「同時代ゲーム」を連想させる奇妙な話が魅力的だった「戦争の法」は好きだったんですけれど。

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健康シューズ「ロシオ」を履いてみました。

ジムも三日坊主な物ぐさなもので、楽して健康ぶりたいものに憧れます。

ウォーキング効果が3倍という(公式HPより)ふれこみの「ロシオ」を、新宿や秋葉原を歩き回るだけで運動になるのなら、ラッキーなのでは?と甘すぎる考えで、購入。展示品を、神田三省堂向かいの健康グッズほか小物+本屋、な自遊時間にて。通販も有りますけれど、衝動買い好きなもので、物が目の前にある、というのは大きかったです。

「ロシオ」は、かかと部分が削れていて、その分靴底が持ち上がっている、という特殊形状のスニーカー。なので、かかとインつま先アウトな正しいウォーキングがし易い、というシロモノです。

ちょっと履いて数日歩いてみた感想ですが、まず、かかととつま先とを一歩一歩動かすため、足首に負担がそれなりにかかります。30分ぐらい歩くとと、ふくらはぎに筋肉使ってる感が出てきます。後日、筋肉痛とかも出なかったので、効果はまだわかりませんが、問題は特になさそうかな。

ただ、日常靴として使うには、降り階段はどうしてもつま先歩きにならざるを得ないし、階段一段飛ばし降りみたいなことは、少々難しいです。また、接地面が少ないせいか、地面が濡れてると少し滑り易かった印象も。まぁ、そもそも「ロシオ」は日常靴ではないので、これらが欠陥とは思いませんけど。

とりあえず、休日はしばらく使ってみる積もり。シークレットシューズではない(バレるので)ですが、目の高さも5cm程高くなるのは、気持ちが良いですし。

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オーガニック・グルーヴ(アンティバラス・アフロビート・オーケストラ/スペシャルアザース)

渋谷 O-EASTにて、アンティバラス・アフロビート・オーケストラを観てきました。終演時間(後述)や、18歳未満入場不可とのチケット記載から伺えるクラブ系のイベントらしい、オーガニック・グルーヴの一環として、でしたが要はライブ。

サポート(前座)のスペシャルアザースは、キーボードの人が中心となった同じフレーズを全力で弾き続けるインストバンド。ギターのぽろぽろとつま弾く感じが印象的で、メデスキ・マーティン&ウッドあたりのジャムロックに近いはずのスタイルながら、日本人が演ると叙情性がにじみ出るというか、メロ指向というか、プログレっぽくなってしまうなぁ、と。そういうの正直好みなので、CD買ってしまいました。

本題の、アンティバラス・アフロビート・オーケストラは全員新作アルバムジャケットにもあった、白赤縦縞帽子での登場。ちょっと驚きました。

ただ、音楽自体は10人以上(壷叩くだけの人とか含む)の大所帯ながら、演奏していない人が多くてソロ中心の展開。なので音数少なし。UB40的唯一の黒人ボーカルの人の歌が、声量はあるものの、やや大味なこともあって、ホーン隊のソロパートのフュージョンちっくなフレーズを聴くしかなくなっていて、いかにも白人ジャズ(2%ファンク)バンドな感じ。

フェラ・クティ「NO BUNREI」のカバーではテンション高くて盛り上がったので、他の曲でのNYおジャズ風味はバンドによる意図的な選択だと思いますが、アフロな反復グルーブを期待していたので少々残念でした。

もっとも、社会人にも優しい開演20:00開始なのでしょうがないとはいえ、終演24:30は体力的に無理だった為、結局23:00位で中座してしまったから、後半わかんないのですけれど。

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トマス・M・ディッシュ「アジアの岸辺」

「歌の翼に」を読んだ頃はゴリゴリの「楽園の泉」最高!なA・C・クラーク信者でだったので(「歌の翼に」初読時は面白くなかったが、今読むと、、、)編者あとがきにもいろんな感慨を思いつつ、トマス・M・ディッシュ「アジアの岸辺」を読みました。

後半収録作は面白かったですけど、ニューウェーブSFが入っていないのは看板に偽りアリって気も、、、

短編集です。60年代作の前半と、70年代以降の後半の作とで、印象が分かれました。

いきなり理解できない環境〜それがホラー的不条理(「リスの檻」「降りる」)であるか、言葉の通じない異国(「アジアの岸辺」「カサブランカ」)であるとかいろいろ有るけれど〜にたたき込まれた主人公が環境に適応できないままに苦しみ、最後死ぬ話ばかりの前半。伊藤、浅倉、若島というビッグネーム訳のせいか設定が?な小説にしては読みやすいです。でも、そういう小説が読みにくくないってのは、本来世界は条理が通じる筈、という事実に対するアンチな意図のある/読みにくいこと自体に意義がある不条理小説を、世の中は不条理だということが常識の時代に読んでいるからだとすると、今更、読む意義が疑問、、、

むしろ、後半の文学者が奇を衒った小説が集まった後半作品〜「やる気マンコマンコ」な宇宙海兵隊が登場する「犯ルの惑星」、内職商法ネタ「本を読んだ男」、mixi招待乞食の悲哀を連想させる、コミュニケーション免許証を取るために苦労する男の話「話にならない男」〜には渡辺浩弐「プラトニック・チェーン」っぽい世相ネタ感取り入れ短編が、「ミステリマガジン」掲載作多しってのも納得の分かり易さで面白かったです。

でも、時代遅れの前衛と、皮相な世相ネタだと「ニューウェーブSFの旗手」のスゴイ人の小説を読んだ感には乏しいのも確か。

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フリッツ・ライバー「魔の都の二剣士」/紫堂恭子「王国の鍵6」

最近読んだファンタジィ×2

フリッツ・ライバー「魔の都の二剣士」
異世界冒険ファンタジィの連作シリーズの第1巻。
作者がホラー小説あがりのせいか、あるいは魔法・ファンタジィ色を出すためか、非常に装飾的に長い文章なので、第1,2話は(浅倉久志訳小説の中では、ですが)結構読みにくかったです。主人公二人がコンビを組んだ第3話は盗賊同士の掛け合い台詞が中心になって読み易く、盗賊ギルド対力では劣る主人公たちとの騙し合いという明快なプロットのせいもあり、楽しく読めました。その分、幻想小説色は薄くなっていますが。

紫堂恭子「王国の鍵6」
4巻読んだ時からずいぶん立った印象ですが、堂々完結。設定明かしを5巻で済ませて、最終巻ではラスボス退治もしつつ、作者お得意の魔法的な存在との別離が中心(纏めて読み直そうと探しても2巻が見つからず、つい目に入った「辺境警備」の最終巻を読み返してたら、「そうそう序盤はほんわか、終盤は悲しい話」なんだよなぁ、と再確認。)。ただ、(苦悩はしているものの)結構守られっぱなしだった主人公がいきなり別離だと、後日談エピソードとの間には辛いこといっぱいありそう。

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2005年1月期アニメ等第1話感想2

科学VS魔法展開で盛り上がってる「魔法少女隊アルス!」の年末纏め再放送ほど気になる新作はなかった気もしますけど...

8「ピーチガール」(土朝)OPED(meg-rock)は舌足らず女性+ギターのカッティングが印象的なロック。ED(ソニン)はちょっと変コブシバラード。番組途中に挟まれた障害者泣きドラマ風CMのあざとさがソニンらしい。
主人公の見かけがガンクロ系な以外は、誠実イケメンとおちゃらけイケメンとの間で、揺れ動く、少女マンガらしいラブコメ。テンポ良く人間関係を説明していましたけど、第1話で相思相愛になってしまうと、この先物語を動かすのは、横取り好き女の存在だけ?△

9「ギャラリーフェイク」(土深夜)OP(勝手にしやがれ)ジャズ系ホーン+しゃがれ声。ED(サンタラ)女性だらけボーカルのアコースティックな曲
美術ネタのコンゲームものですが、オチでの逆転の意味が分からなかったせいか、止め絵とJAZZ曲でオシャレ雰囲気以外の売りが見えてきません。×

10「まじかるカナン」(土深夜)OP(宮崎羽衣)声量無い可愛い声に薄い音。ED(徳永愛)も薄いキーボードと高音の女子Vo。
魔法少女もの(パロディ?)。第1話の悪人が、魔法を解かれるだけで罰を受けないのは、なんか納得行かず。お約束満載だけれど話が雑になってく予感が、、、△×

11「まほらば」(日深夜)ED(米倉千尋)はコブシ回しガールポップ。
確か「ちゆ12歳」で褒められていて原作マンガは1巻だけ読んでるのですが「めぞん一刻」+多重人格設定で、ほわほわした話は原作通りかな。なんか、ヒロインの性格からか、話自体がとろい印象。浅野真澄の攻撃的キャラが話を動かしてくれないと、、△×

12「富豪刑事」(木夜)ED(及川光博)は迫力のない70年代歌謡曲カバー。
白々しすぎる台詞、不安かき立てなピアノ曲、存在感重視の珍キャストなサブキャラ陣(前島進いい味)といった、同じテレ朝木曜ドラマ枠で蒔田脚本の「TRICK」に通じる軽いノリの刑事物実写ドラマ(原作はハードカバー新刊の時に読んだはずですが、記憶はさっぱり。筒井康隆が出演している以外、関係なさそうですけど)。「TRICK」はかなり好きだったのですが、阿部寛の仰々しさと対比させることで仲間由紀恵の棒読み感が味になっていたTRICKと違い、深田恭子のたどたどしさをピンで観るのは、正直辛いところ。途中から視聴だったこともあるし、サブキャラとの絡みを期待して。△

13「UG☆アルティメットガール」(月深夜)ウルトラねたを昔のアニパロ風味で茶化したギャルアニメ。下らないですけど、古谷徹の声ネタと肌色サービスだけでも、15分だとアリかなぁ。△

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フェミ・クティ「ライブ・アット・ザ・シュライン」を観ました。

LIVE盤CDが今一ピンとこなかったのでスルーしていたのですが、新宿HMVでかかっているのを観てDVD版も購入。

シュラインでのLIVE盤CDに画像が付いただけのDVDだと思ったら、さにあらず。アフロビートの長い曲もあんまりフェードアウトなどせず、きちんと流して音楽的にも仁義を切っているものの、結構オフステージやスタッフインタビューといった非音楽的な映像を含んでいます。DVD総体では、「シュライン」という場が、単なるフェミの自宅兼ライブハウスではなくて一種のコミューンなことを見せてゆく「映画(a film by Raphael Frydman)」的作品でした。そしてそれは、そういうものを作っていくフェミが単なる音楽家にとどまりたくないという意思の表れでしょうか、父フェラ同様に。(DVDにはフェラ映像も入っていてファンとしては嬉しいのも確かですが、それも単なるサービスではなく、フェミが「継ぐ」ことを示しているのかと。)

シュライン描写では、何といっても3曲目「SHOTAN」が凄い。横綱が負けたときに飛び交う座布団のように、客がプラスチック椅子をステージに向けて投げつけまくる様は(そして、その中でも平然と歌っているフェミは)異様な迫力があります。女性コーラスの顔めがけてペットボトル投げつけてる奴もいるし、入場時に金属探知器使ってるのもむべなるかな。

しかし、今度行く予定のアフロビート・グループ「アンティバラス」のライブがちょっと怖くなったりもしましたが。

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2005年1月期アニメ第1話感想

7作の中では「AIR」でしょうか。

△はとりあえず次回を見よう、○が見続けような、2005年1月期アニメ第1話感想です。

1「スターシップオペレーターズ」(水夕)OP(川井憲次のインスト?)は映画音楽風。ED(KOTOKO)はバイオリン(?)伴奏の歌い上げ。
宇宙戦争をテレビ中継って設定は興味深いですが、キャラが多いわりに感情温度の低いキャラが多くて、ちょっと「ジーンシャフト」の人間味のなさを連想。設定に飽きた後は、、、△

2「魔法学園ネギま!」(水深夜)OPED(麻帆良学園中等部2-A)は一人一人パートが分かれる歌に安っぽいキーボード(OP)、ギター(ED)入り。
美少女大量出荷ものだが、第1話で使用するキャラを絞ることで話が解りやすく、手堅い学園ものにまとまっている。○△

3「ジンキ・エクステンド」(水深夜)ED(Angela)は独特の歌唱法はあいかわらずだが曲はキャッチー。
ちょっと、展開がゆっくりな気もするが、味方上層部が悪巧み系ロボットものアニメの第1話らしい第1話。重量感あるロボ描写の絵が息切れしないと良いけれど。○△

4「AIR」(木深夜)OPED(LIA)は音圧のない打込にクリアな女性ボーカル。
話は不自然な出逢い方で女子一通り紹介する、このジャンルのありがち第一話ながら、のてのて歩く描写とか、女の子を可愛く描こうとする、ある種、情念すら感じさせる緻密さには、正直、感服。○

5「ああっ女神さまっ!」OPED(石田耀子)なんちゃってケルト+懐かしめポップスを癖のない声で。
善人なだけで魅力のない主人公の男が出ているだけの、ハーレム前振りだけで第一話は終わり。ヒロインが出てこないと地味なだけの印象。△×

6「ゼノサーガthe animation」OPは大河ドラマのOPのようなインスト曲。ED(mayumi gojo)は、バイオリンにタイタニックのセリーヌ・ディオン風。
負け目の宇宙艦隊戦と、美少女アンドロイド登場まで、の第1話。隠し設定台詞多すぎて、主人公が善人であることしか解らないと、見続けるモチベーションが...△

7「らいむいろ流奇譚X」(木深夜)OPED(らいむ隊)女子合唱。
サクラ大戦+シスプリで絵が綺麗でないと、ひたすら安っぽい。バカバカしさがネタ的楽しさになっていたけれど、それは第1話で消費され尽くした気もするので。×

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「ベルヴィル・ランデブー」

2005年1月3日新宿テアトルタイムズスクエアにて、仏アニメ「ベルヴィル・ランデブー」を見ました。

絵柄を気に入って観に行ったところ、おはなし的には納得行かないことだらけでした。が、シャンソン風主題歌は気に入ったので、ギリギリOK

絵的には、大友克洋「大砲の町」的、灰色基調で大きな一枚絵スクロールと、妙にカクカクした、というかヨタヨタ歩くTV版「BECK」(第1話しか見てないけれど)ノリの「アニメーション」です。が、単なる日常描写にアコーディオンの物悲しい曲、地道に追跡するシーンに荘厳なオペラ風、という音楽のハメ方の不思議さのせいか、ギャングに攫われた孫息子をおばあちゃんと飼い犬が追いかける、という活劇話とは思えないくらいに、盛り上がり温度は低いです。ラストバトルは強い仲間の力を借りて勝つという展開なのですが、その仲間が出来る理由が音楽が気に入ったからだったし、日常は暗く悲しく芸術だけが輝く、というような、いかにも仏蘭西産的芸術至上の世界観ってことなのか。

新聞紙、冷蔵庫、掃除機を楽器とするシャンソン風主題歌はCD買うくらい気に入り、芸術至上主義共感可能になったので、この映画はぎりぎりOKといったところなのですが、イマイチ納得行かないところが多い映画でした。命からがら逃げ出したカエルが電車に轢かれて死ぬシーンは、動物虐待ギャグかもしれませんが、全く笑えなかったし。
エヴァンゲリオン魚眼レンズ演出的目のアップばかりで、台詞もない自転車漕ぎロボ状態の孫息子が不気味で、その孫息子を無表情無言で溺愛する主人公にも、あまり感情移入できないので、つい、餌を貰えずに悲しんでいる主人公の飼い犬の方に肩入れして観てしまいました。そうすると、犬がパンクしたタイヤの代わりに使われたりしているシーンは、ただただ悲惨な雰囲気に。昔のアメリカ産アニメのように、どんな目にあっても次のシーンでは元通り、といった陽気さが全くないので気楽に観られないのでした。

スピード感も危機感もなく、淡々と敵車を壊すカーチェイスや、ネズミ顔の敵役にミッキーマウス耳を付けさせるシーンとかもあったので、映画全体が反(ハリウッド盛り上げ・ディズニー)的意図で、わざとやってるのかもしれないけれど。仏蘭西産だし。

主題歌目当てで買った輸入盤サントラCDには、主題歌のバージョン違いが、デモ、英語版、仏語版&歌い始める前の新聞紙セッション「Cabaret Hoover」 、テレビから流れてくる版「Cabaret Opening」、橋の下での演奏シーン版「Under The Bridge」、と盛りだくさん入っていて満足。

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SFマガジン2005年2月号「谷甲州特集」/森岡浩之「星界の戦旗IV〜軋む時空〜」/板垣真理子「武器なき祈り〜フェラ・クティ、アフロビートという名の伝説〜」

SFマガジン2005年2月号「谷甲州特集」
翻訳無いと読了モチベーション下がってしまう、というのが正直なところ。田中啓文「罪火大戦ジャン・ゴーレ」新連載ですが、いつものグロ描写のみが印象に残りました。山本弘「シュレディンガーのチョコパフェ」は、げんしけんmeetsG・イーガンではなく、F・ブラウンなのを愛せるかが、評価の分かれ目?

森岡浩之「星界の戦旗IV〜軋む時空〜」
戦いは続く、以上。リリース間隔が長いのは別に構わないけれど、話が全く進まないのはなぁ。

板垣真理子「武器なき祈り〜フェラ・クティ、アフロビートという名の伝説〜」
ジャズミュージシャンの写真から出発した、アフリカ、アジアの「熱帯写真家」(著者紹介より)による、ナイジェリアの音楽家、フェラ・クティの伝記。なのですが、「フェラがわたしの夢枕に立った」ってな冒頭から、1997年没のフェラとその妻の人生を著者がイタコ一人称形式で語っているため、うさん臭さが炸裂しています。

もちろん、死後、他人によって綴られる「追悼」モノに、神格化をはじめとした書き手の認識が入り込んでしまう、ってのはある程度必然なわけですけれど、「俺は生前XXと言っていたが、今は○○と思っている」みたいな、某宗教団体ばりのねじ曲げには、どうしても不信感が残ります。終盤のチョムスキー引用して911以降の世界へのメッセージを語る部分とか、その種のカウンターカルチャー的部分は(著者の考えだとして)割り引いて読むべきだ本とは思います。

内容の方も、フェラの軍政時代のナイジェリア政府との対立をメインにしているため、政治性の強い歌詞や、ドラッグ吸引の証拠を得ようと糞の奪い合いをする官憲を茶化した「EXPENSIVE SHIT」の引用はあるものの、ミュージシャンの固有名詞は出てこないという音楽家の伝記としての側面は薄い作りなので、フェラの音楽好きとしては、物足りなさを感じました。

ただ、ナイジェリアの歴史とフェラの一生を、この行間開きまくりの200頁で、簡潔に纏めているとはいえるし、一人称だけあって読みやすいのも確かではあります。

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ケブ・モ「マーティン・スコッセッシのブルース」/トニー・アレン「ジェラシー/プログレス」

去(2004)年聴いたCD×2

ケブ・モ「マーティン・スコッセッシのブルース」
タワレコ新宿店でかかったのを聴いて衝動買い。現代ブルースの人のベスト盤。
ロバート・ジョンソンのカバーとか、「たららたららたん、じゃじゃーん。」で終わる古典的なスタイルの曲での単調さは、このジャンルの良いリスナーでないわたしには、正直つらいところがあります。けれど、バンド仕立ての曲は、ザ・バンド〜フーティ&ブロウフィッシュあたりに通じる土臭いロック耳で聴くことが出来るので、ブルースにしては聴き易いです。ダミ声でなく、よく響くソウル声なのが強みでしょうか。特にピアノ、キーボード。ピアノをバックにした歌い上げ系「henry」「don't try to explain」や、荘厳キーボードが入ったバラード「it hurt me too」、がポップな曲調で良かったです。

トニー・アレン「ジェラシー/プログレス」
ライブ盤がイマイチだった理由が見えなくて落ち着かなかったため、未聴の旧譜買ってみると、これは(スタイルもそう変わらないのに)最高なのが、不思議。サックス/アレンジ/プロデュースがフェラだからでしょうか、陽気なジャズ風メロディーの入った「ジェラシー」のポップさは、攻撃性の強いフェラ本人作では、殆ど見られないと思うのですが。しかも、そのポップの上に多数打楽器でファンクする本格的アフロビートの魅力が損なわれていないのは、驚異的。アフロビート+その他というアプローチは同じなのに、なぜ、近作にはこれがないのだろう。

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