« ケブ・モ「マーティン・スコッセッシのブルース」/トニー・アレン「ジェラシー/プログレス」 | Main | 「ベルヴィル・ランデブー」 »

SFマガジン2005年2月号「谷甲州特集」/森岡浩之「星界の戦旗IV〜軋む時空〜」/板垣真理子「武器なき祈り〜フェラ・クティ、アフロビートという名の伝説〜」

SFマガジン2005年2月号「谷甲州特集」
翻訳無いと読了モチベーション下がってしまう、というのが正直なところ。田中啓文「罪火大戦ジャン・ゴーレ」新連載ですが、いつものグロ描写のみが印象に残りました。山本弘「シュレディンガーのチョコパフェ」は、げんしけんmeetsG・イーガンではなく、F・ブラウンなのを愛せるかが、評価の分かれ目?

森岡浩之「星界の戦旗IV〜軋む時空〜」
戦いは続く、以上。リリース間隔が長いのは別に構わないけれど、話が全く進まないのはなぁ。

板垣真理子「武器なき祈り〜フェラ・クティ、アフロビートという名の伝説〜」
ジャズミュージシャンの写真から出発した、アフリカ、アジアの「熱帯写真家」(著者紹介より)による、ナイジェリアの音楽家、フェラ・クティの伝記。なのですが、「フェラがわたしの夢枕に立った」ってな冒頭から、1997年没のフェラとその妻の人生を著者がイタコ一人称形式で語っているため、うさん臭さが炸裂しています。

もちろん、死後、他人によって綴られる「追悼」モノに、神格化をはじめとした書き手の認識が入り込んでしまう、ってのはある程度必然なわけですけれど、「俺は生前XXと言っていたが、今は○○と思っている」みたいな、某宗教団体ばりのねじ曲げには、どうしても不信感が残ります。終盤のチョムスキー引用して911以降の世界へのメッセージを語る部分とか、その種のカウンターカルチャー的部分は(著者の考えだとして)割り引いて読むべきだ本とは思います。

内容の方も、フェラの軍政時代のナイジェリア政府との対立をメインにしているため、政治性の強い歌詞や、ドラッグ吸引の証拠を得ようと糞の奪い合いをする官憲を茶化した「EXPENSIVE SHIT」の引用はあるものの、ミュージシャンの固有名詞は出てこないという音楽家の伝記としての側面は薄い作りなので、フェラの音楽好きとしては、物足りなさを感じました。

ただ、ナイジェリアの歴史とフェラの一生を、この行間開きまくりの200頁で、簡潔に纏めているとはいえるし、一人称だけあって読みやすいのも確かではあります。

|

« ケブ・モ「マーティン・スコッセッシのブルース」/トニー・アレン「ジェラシー/プログレス」 | Main | 「ベルヴィル・ランデブー」 »

SFマガジン」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11715/2473548

Listed below are links to weblogs that reference SFマガジン2005年2月号「谷甲州特集」/森岡浩之「星界の戦旗IV〜軋む時空〜」/板垣真理子「武器なき祈り〜フェラ・クティ、アフロビートという名の伝説〜」:

« ケブ・モ「マーティン・スコッセッシのブルース」/トニー・アレン「ジェラシー/プログレス」 | Main | 「ベルヴィル・ランデブー」 »