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OSIBISA「Osibisa/Woyaya」/三浦大知「Keep It Goin'On」/木村カエラ「リルラリルハ」

最近聴いたCD×3

OSIBISA「Osibisa/Woyaya」
ガーナ人中心とした70年代ファンクバンドの輸入盤2in1CD。1st「Osibisa」はアフリカっぽいパーカッション強めだけれど、「Oranges」とか妙にポップで凄く聴きやすいです。
2nd「Woyaya」はオルガン度増え、メロディもさらにフォークっぽくなって、(合唱コーラスとの掛け合い中心の)ヴォーカル、以外はスティーブ・ウィンウッドが居た70年代トラッドロックバンド、トラフィックを連想。そういう音楽だと、独特の曲線とカラフルさで羽根の生えた象を描いたロジャー・ディーンの幻想的ジャケットにも違和感無し。

象さんはバンドの公式サイトでも飛んでいたりします。

三浦大知「Keep It Goin'On」
待ってましたよ、三浦大地君、否、改名して大知名義での初シングル。フォルダーのアルバムは今でも聴きます。よく伸びる声は健在でした。淡々ビートをバックに80年代以降黒人音楽入った感じ(久保田系?)を綺麗に決めています。

男の歌唱力自慢系だと、ピアノをバックにした女々しいバラードを商業的に求められそうだけれど、(平井堅と三浦大知は何やっても聴ける音楽になると思うので、)そっちにばかり行きすぎずに色々やって欲しいなぁ。

木村カエラ「リルラリルハ」
前作「Happiness」が名曲過ぎたので、ちょっと印象弱めの新曲ですが、バリバリギターがモデル女子Vo気取った度を薄めていて良し。B面がNANAトリビュート収録曲で既聴なのはちと残念。

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「田村ゆかりLive Tour 2005 * Spring fever *」(その2)

3月27日 神奈川県民ホールにて鑑賞。

開演まで、会場近くの港そばをぶらついていたら、鳥を見かけてyokohamaphotoったのです。京ぽんのカメラなんで、点にしか見えないんですけど。

東京編(その1)の3日後、サイリウムを振った方の腕に筋肉痛が来てフェルビナク張りまくりだった、「田村ゆかりLive Tour 2005 * Spring fever *」の追加公演(また、明日あたり来そうだなぁ、筋肉痛)。

本編自体は、東京編ほど長くはないフリートークを除いて、特に変化無し(あたりまえか)なのですが、1回真ん中ぐらいの席で周りの客が熱かったせいか、いや、受け手側が曲に慣れたことが大きいのでしょう(3階の客も凄かったし)、客の盛り上がりは明らかに前回以上。縄跳びでもしてるかのように曲中飛びまくりの「惑星のランデブー」はじめ、息が上がってしまいます、参加できて楽しかったけど(会場でファンクラブの更新登録したら「また一年よろしくお願いします」とスタッフの方に。こちらこそよろしくです)。

あと、ツインテール属性は無いつもりなのですが、ツインテール&ノースリーブな女性ギタリスト(「fantasia」作曲の渡邊美佳)のキュートさにはちょっと惹かれました。

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遠藤淑子「マダムとミスター1」/吾妻ひでお「失踪日記」/石川賢「超護流符伝ハルカ」

最近読んだマンガ×3古い人ばっかりですね。

遠藤淑子「マダムとミスター1」
文庫化を初読。元気女性とまじめ青年のコミカルな掛け合いの中に、優しい物語が現れる遠藤淑子らしい作品。「こんなに後悔するのに、どうして人を許すことはむずかしいんだろう」「捜しものをみつけるコツはね、あると思って探すこと!」とか、別に凄い言葉じゃないんだけれど、見せ方がいいってことなのかな。

吾妻ひでお「失踪日記」
帯の菊池成孔コメントには、サブカルからの珍獣扱いを少々危惧しつつも、中身は日記スタイルで綴られたホームレスと配管工の生活レポマンガ。あの「不条理日記」の吾妻ひでお云々ではなく、ホームレステクニックや変な同僚の話など、レポマンガとして普通に面白い。反面、日記に桜玉吉的(創作にかかわる者ならではの)文学性とかがあるわけじゃないのだけれど。

石川賢「超護流符伝ハルカ」
「極道兵器」がヤクザマンガというぐらいには、ゴルフマンガ。日本のゴルフ場を支配しようとするアメリカ企業買収組織デストラップって何だよ。どうでもいいですけど。トゲトゲ魔物と、フランケンシュタイン風メカに、ゲッターロボ風鬼の力を召還して戦う話。唐突に仏像が出るようなバトルって、打ち切りっぽく終わるラストも含めて石川賢印。

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SFマガジン2005年5月号ニュー・ウィアード・エィジー英国SFの新潮流」

最近読んだSFマガジン

要は英国SF特集。解説によるとニュー・ウィアード・エィジとは「ジャンルが起こる前に名前を付けた」のだが、なかったようなもの、な用語だとか。そのあざとさは、ニュー・ウェーブ・リバイバルとかで自作自演を続ける英ロック雑誌NMEに通じるものが...

小説4本の中では、ニール・ゲイマン「エメラルド色の習作」が、ホームズとラブクラフトホラーの出会いをテーマにしたアンソロジー、ってゆう無理のあるお題に、オルタネートヒストリーできっちり纏め、しかも意外性もある快作で、さすがはヒューゴー賞受賞作といったところでしょうか。

特集以外では、山本弘「メデューサの呪文」は(「ケルベロス5つの首」リスペクトものか?)叙述トリックが解らなかったので、幻詩狩り、モンティ・パイソン系の話にしか見えず。田中啓文の連載「罪火大戦ジャン・ゴーレ」は宇宙SF設定の無駄遣い振りが好調(今回はグロもないし)。浅倉久志セレクションのジェイシー・カー「ウェブ・ライダー」は、超常能力者の未開惑星休暇というネタが、特集収録作(ニール・アッシャー「帰休兵」)と被ってしまったのがアンラッキーだったかも。

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SF JAPAN 2005 SPRING号

判型も小さくなって、また、リニューアル?な最近読んだ「SF JAPAN」誌

表紙に名前が載ってるのはインタビュー・対談ばかりだけれど、そこでは特に驚くような話はなし。なので、収録作の感想。

ファンなので期待していた吉川良太郎「ピーターパン・ホームシック・ブルース」は前号から始まった一芸超能力者バトルものシェアード・ワールド「憑依都市」の一作ながら、仏蘭西ネタこそないものの、ブンガク風見立てにみられる、幼稚なスタイリッシュぶりと、スピード感有る戦闘描写はいつもの吉川で安心。今回は一芸キャラのキャラ登場編という面白必須の場所でも有る訳だし。

森岡浩之「優しい煉獄IV−罪人も憩う街」はネットゲーでいうならPK話、というありがちネタながら、作者の短編集を想起させるキッチリとした纏めぶり。

なかせよしみ「エリカさんの狂発明日記」は他愛もない美少女絵のマッドサイエンティストもの4コママンガですけど、顔の見える野菜の話は、絵ならではの直接性もあり面白かったです。

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山田正紀「神狩り2 リッパー」/桜庭一樹「赤×ピンク」

最近読んだ本×2

山田正紀「神狩り2 リッパー」
イカレポンチな珍作

「神狩り」よりは「顔のない神々」を「ネットの中の島々」と並ぶ世界認識に絶望するSFの最終傑作だ、と思っている人の感想です。いちおう、前作再読して臨みましたが、設定、一部登場人物が被っているだけで、話としては独立しているので不要でした。

少年犯罪を追う刑事物プロットをメインに、「神」論というか、キリスト教+脳科学用語がらみのトンデモ論が延々と展開されます。「フィリップ・K・ディックの小説は間違っていた」といったイカレポンチ完全妄想と、脳とコンピュータを無理矢理なアナロジーで繋いだ激ダサ表現の嵐には失笑。傑作/失敗作/愚作といった評価以前の、珍作としか言いようのない出来で、とうてい真面目には読めませんでした。

終盤のバトルは、「機械獣ヴァイブ」とか連想するような具体性ある怪獣描写と、初期作者っぽさを連想する暑苦しいテンションで盛り上がりますけど、それまでの評価を変える程ではなく。

桜庭一樹「赤×ピンク」
「蹴りたい背中」の仲間。

最近の読めるライトノベルとして知人に勧められた作者の作品。

自分の居場所が無いと感じる少女たちが、女子プロレスに居場所を見いだす、という話で、ライトノベルなのでいつ超能力者とか出るのかと思っていたら、架空設定がないまま終わる普通の小説でした。自分の居場所が無いと感じる少女がアイドルオタの熱情を羨ましがる「蹴りたい背中」の仲間か。これが作者の書きたいものならライトノベルらしからぬファミ通文庫から出すのは不幸な気もしますが、女流作家にありがちなジュニア小説で修行した後ホラーとかで一般行くつもりの人なのかもしれません。

美少女描写を挿絵に任せるライトノベルならではの、ポエム臭いモノローグの連打で肉体性に欠ける(格闘技小説とはとても思えない)文章は正直気持ち悪いのですが、少女の自分探しテーマを直接的に表現しているとも言えるので本作中では有りな手法かも。音楽、映画等の固有名詞で現代っぽさを出そうとするのも、好きじゃないですけど、こういう感覚重視小説中での手法としては認めます。

女子プロレスというネタもそうですが、終盤、性同一性障害ネタが出てきたりして、(「蹴りたい背中」の時も思いましたが)志村貴子系かねぇ、と思いました。

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「LOVE for NANA〜only 1 tribute〜」/「TVアニメ舞-HIMEキャラクターボーカルアルバム 初恋方程式 第一楽章」

最近聴いたキャラソン集×2

「LOVE for NANA〜only 1 tribute〜」
11巻まで読んでも、浜崎風ポエムな歌詞と「パンク」がなかなか結びつかないバンド物少女マンガ「NANA」のキャラソン集。バリバリのリフ中心(自らの新曲「リルラリルハ」程じゃないけれど)ギターロックの木村カエラ「Twinkle」、意味も分からないだろうに「ナナ」連発してくれたギターポップ「suga rguitar」skye Sweatnam、がイメージ的に納得できるかな。曲的には、囁き女子Vo+硬質打込な、布袋寅泰featuringもりばやしみほ「バンビーノ」が気持ちよく聴けました。終盤、唐突に現れるギターソロもオチのようで楽しいし。
「フィギュア17」戦闘BGMのときと同じ記号的インストハードロックな高見沢俊彦や、西川貴教君ヘヴィメタを歌う、なabingdon boys schoolも一回聴く分にはアリ。Do As InfinityやZONEになってしまうと、流石にわたしの守備範囲外ですが。

「TVアニメ舞-HiMEキャラクターボーカルアルバム 初恋方程式 第一楽章」
殺し合い展開で、序盤のコミカル乗りが台無しになりつつある召還少女バトル物アニメ「舞-HiME」のキャラソン集。
かなり作ったキャラ声でも不自然さがない「そよ風のダイアリー」は流石、ベテラン岩男潤子というべきでしょうか、頭一つ抜けた印象。田村ゆかりの「進め!愕天王」はJAM Project風ネタソングを手堅く。中原麻衣の「ハピネス」も可愛いポップで良いのですが、ちょっと同作曲者&歌手の「ロマンス」に似すぎな気が...


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ロバート・J・ソウヤー「ホミニッド〜原人〜」/本田透「電波男」

最近読んだ本×2

ロバート・J・ソウヤー「ホミニッド〜原人〜」

「懐かしSFアイデア」+「法廷ものやトラウマ克服のフォーマット」、という記号を組み合わせただけの凡作。

トイレの使い方が解らない(ということで異世界人と解った)異世界人から、宗教や人種差別とかを馬鹿にして、原始/文明の相対化、とゆー、懐かしSF型文明批評。今時有効とは思えないけれど(章冒頭でのメディアに載るキリスト狂信者ネタとか、上から馬鹿に出来る立場にいないでしょうに)。

2つの場所を舞台に話が並行する展開ですが、分量的に半分を占める、物理学者失踪事件を扱った法廷ものも、読者に正解が解っているせいで、登場人物の信念や不安に説得力を持たそう、とする努力(海外ドラマっぽい小エピソードを入れるとか)をまるでせずに、フォーマットをなぞっただけ。残り半分を占めるトラウマ克服ストーリーもなぁ。ネタにするための生物学者レイプ事件や、「美人」物理学者描写は、読者サービスのつもりか?萎えまくり。

アイデアの量子力学系多元宇宙ネタもG・イーガンのアクロバチックな論理で(見たこともないような)ハッタリをかますのと違って、ただ多世界解釈をそのまま書いただけだから、SF的には新味は無いし。しかも、そのアイデアがキャラクターの心情と全くリンクしない「背景設定」に終始しているので、「懐かしSFアイデア」+「法廷ものやトラウマ克服のフォーマット」、という記号を組み合わせただけの凡作。

「ターミナル・エクスペリメント」だったかを読了後、「ソウヤーはもう読まない」と思ったことを読了後に思い出しました、無念(架空設定に没入する前に、作者ウンチクを読まされて腹を立てた性もありますけれど)。

本田透「電波男」

匿名コミュニティの優しさを描いた「電車男」、「電話男」とは別物か。

「負け犬の遠吠え」を仮想敵にした、「オタクよ誇りを持て」エッセイ。作者の日記サイト「しろはた」や各種ムックでの主張の集大成ですが、ライターなだけあってか、フォント弄りサイトを思い出すような(ちょっと懐かしめの)コミカル自虐文体も過剰ではなく、主張も整理されていて非常に読みやすいです。萌え史概論パートでの、SFの死論とかには凹むところもありますが、この読みやすさだと、主張に賛同できない人がリサーチ的に読んでも面白い本だと思います。

特徴的なのは、結論が、反オタクパッシング系にありがちな「オタク連帯」を呼びかけることなく、「個」としての対処に終始する点。冒頭での引用が、映画セカチュウを見た柳下毅一郎氏の、「me against the world」by 2pacなノリの、サイト上感傷だったりするし、意識的だと思います。仮想敵が(「個」に戻らざるを得ない)恋愛テーマという事情もありますが。これが、主張に切実さを与えていますし、「オタク連帯」論の弱点である、オタク内ヒエラルキーや内ゲバの懸念からうまく逃れられています。その分、結論は地味な「今は耐えろ」になりがちですが。

気になったのは、巻末のDV経験告白が、それまでのコミカルな文章を「実は悲しい過去オチ」にしてしまってることで、本文をネタっぽくしてしまっているのは、主張を伝えるにはマイナスな気も。ファン・信者作り用キャラ本としては正しいですけど。わたしもファンだし、いいのか。

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映画「ザ・プラネット/火星人メルカーノ」

映画「ザ・プラネット/火星人メルカーノ」2005.03.13渋谷UPLINK Xにて鑑賞。

しょーもない(が嫌いになれない)アルゼンチン産SFアニメーション。

火星人と地球人の少年が、バーチャルリアリティとネット通販で人間をダメにする大企業の陰謀と戦う話。というと、まともそうですが、実物はそんなことはなく。

しかし、冒頭の、TVは下らないから別の物を盗もうとする少年も、「The3名様」風絵柄のトレッキー主人公も、頭の悪いラダイト運動の人も、その他の人たちも、登場人物はみな感心できないクズのような奴ばかり。そして、大した理由もなく光線銃で警備員の腹をぶち破る火星人にも、感情移入は出来ず。風刺、悪意(ギャグ)を抜いて殺伐描写だけが残った「サウスパーク」というか、コドモが「ウンコ」と連呼してるのを聞き続けるような、どうしようもない荒涼感に溢れていました。が、だから嫌な気分かというとそうでもなく。

何故か、「火星人メルカーノ」を見終わって、凄くスッキリと劇場を出たのでした。(併映の「ザ・プラネット」はフェルナンド・カブサッキによるメロディのないループねたの音楽に、実験アニメーションを付けた1時間のフィルムが退屈で、眠りまくってしまったという事情もあるのですが。面白かったのは、ノイズ前衛ロックをバックに女パイロットが犬と戦う3分短編ぐらい。)

というのも、わたしは劇場版ぐらいしか観ていないのですが、「サウスパーク」での「悪意」というか、悪意という理由付けされた人が死ぬネタや、「シティ・オブ・ブラジル」での笑いながらデカイ銃で殺しまくる子供、という社会批判的意図が透けて見える実話ネタ描写、が苦手なのです。そういった、エクスキューズがあるから殺伐描写を許容するってのは、特攻自爆死を犬死により持ち上げる(あくまでフィクションの中での位置づけですけど)ような気持ち悪さを感じてしまいます。

対して、本作での光線銃で血が飛び散るという、意図なき虐殺描写は、観ていて気が楽だったなぁ。3秒で思いついたようなラストの下らな過ぎるオチも、「脱力」、というか画面に向かって「ば〜か、ば〜か」と言いたくなりましたが、後味悪い作品を観た後に、脳内に澱む「つらかった」感はなし。わたしが馬鹿になっただけのような気もしますが。

現代コメディアンってどんなものかね、と思って観た年末のM1で、死ぬほどつまらなく見えた(「ちょっと変」なのをお約束的に笑って貰いたいらしい)「麒麟」「タカアンドトシ」が、先日の「爆笑オンエアバトル」中だと、上澄みの方なのに気づいて、なんか悲しい気分になった(こういうのを楽しむ能力が自分にないんだなぁ、と。)のですが、笑わせようとする意図が見えるほど、波長が合わなかったときには不快であり、意図がなければ良いのです、それは「変」なだけだから。

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aiko「夢の中のまっすぐな道」/Miles Cleret編「ガーナ・サウンズ」

最近聴いたCD×2(1GのSDカード購入して、MP3プレイヤーの容量が3倍になったから暫くは入れとくけど...な)

aiko「夢の中のまっすぐな道」
ギターポップな「花風」での元気なサビが気に入ってたこともあり、CD購入しましたが、シングルほどの印象はないかな。。

独特なイントネーションの歌は、「ビードロの夜」のようなアップテンポ(&歌謡曲なメロ)曲だと、いいフックになる反面、「三国駅」「青い光」といった、卒業シーズン向け弦入り歌い上げバラードで、一般的な歌唱力が問われるような局面では正直、耳障りに感じられてしまったり。

言葉の選び方が変わってる人だと思ってましたが、驚いたフレーズは「あたしの眠れる丘」(「恋の涙」)ぐらい。要は「大好き」って言っているだけな歌詞が多かったのは拍子抜け。ひねりの無さは作詞者が凄く幸せな状態だからかも、と邪推。

Miles Cleret編「ガーナ・サウンズ」
「2」が気に入ったので、3年前に出たほぼ同メンツによる、70年代ガーナ産ファンクの編集盤もチェック。歌とホーンの素朴さが、攻撃性の無いフェラ・クティ〜ハイライフ・ジャズ以上のものが見えない「昔の音楽」って感じで、正直、わたしには「2」のほうが好み。

作中では、ギター中心で、ホーン脇役な、Marijata「Mother Afrika」が、淡々とジャズファンクしていて、21世紀の耳だと聴き易かったです。

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石田衣良「ブルータワー」

現実の象徴というメタな意図/言い訳を持たせてしまったからか、架空設定自体に説得力を与えることを省略した結果、「絵空事」に終始。

「池袋ウェストゲートパーク」の石田衣良。宮藤官九郎、堤幸彦繋がりで、TVの方は、一度観とこうかなぁ、と思っていたので、初のSF小説という触れ込みの「ブルータワー」を読んでみました。うーむ。酷い。

奥さんの浮気に悩む末期ガン患者が、突然未来へタイムワープ。未来は改造インフルエンザ<黄魔>で死にまくり、テロに向かわざるを得ない下層階級と、病から隔離すべく塔に篭もった特権階級との階級社会ディストピアだった、という類型的設定ではじまります。カタカナ、暴走族風当て字された現代と同じ名前のキャラが暮らしている、という架空設定=現実の象徴サインの連発や、やたらと21世紀初頭日本との対比を連発する描写の入る、という典型的な(架空設定を使うことにテレのある)ジャンル外の人が書いたSF。

後半は、救世主予言する老婆や、味方をかばって死ぬ仲間たち、というロープレ風盛り上げを連発し、仲間の死を思い出した主人公が根性で奇跡を起こして勝つ、というあまりにも安直な展開。そして、現代へ戻ると、何故かガンは治り、新しい恋人とくっついて目出度し目出度し。あんまりだ。

そりゃ、わたしだって、ぬるま湯ハッピーエンドは大好きですけど、テロとか問題を抱えた現実の積み重ねが未来に繋がる、といった過程無視して「根性で奇跡」ってのは、ラストだからハッピーにしましたっぽくて、馬鹿にされたような読後感でした。

未来に行けるようになる理由が全く説明されないし、末期ガンが治った理由も全く説明されないところを見ると、この「過程すっ飛ばし」に作者は自覚的なんでしょうけれど、その過程こそが、架空設定の、つまりは作り物である小説をただの「絵空事」にしない説得力を与えるはずなのですが。

宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」(わたしの感想は20030319分日記に)も、同じく象徴意図があからさますぎ、ということで彼女の作品中ではわたしの評価が低いのですけれど、本作よりはずっとまし。

「ブレイブ・ストーリー」は、異世界では勇者になった主人公も、現実世界では只の子供であり、女の子と仲良くする、ということだって、そう簡単には行かないけれども、異世界で学んだ勇気で現実に立ち向かってゆこう、という等身大の視点エンドでした。その、等身大ぶりを示すってことが、象徴という、作者の特権的言い訳を利用した小説において、象徴であって実はウソっこな架空設定も、現実にも持っていける何かがあるのだよ、というメッセージを成立させる為に必要なのだと思います。

奥さんと離婚して、最初から主人公にベタ惚れている新恋人とくっついてしまう本作は、単に都合のいい展開というに留まらず、冒頭提示された筈の問題(浮気)をスルーしてしまっていて、特権的作者でない読者に対して説得をする気の無いことをよく示していて、架空設定は、実はウソっこのままの「絵空事」。

あと、後書きでは、ラストはE・ハミルトン「スター・キング」(わたしは未読)のオマージュみたく言及していて、設定借用小説なのかもしれません。そうだとすると、この文章は筋違いの物言いなのですけれど、でも、友との再開ネタは元ネタ関係なく、感動するだろうし。後書きでのSF云々は、小説自体から目を逸らさせるための作者の照れ隠しのような気も。

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ローレライ/ワンピース オマツリ男爵と秘密の島

思い入れ有る監督の新作映画×2。大感動という訳には、、、

ローレライ
2005.03.12新宿コマ劇場にて鑑賞

話はどうかと思うものの、メカ描写とピエール瀧のアニメ的誇張がうまく嵌まっている。

ミニモニ映画のヒグチ監督の新作。

潜水艦の主砲発射準備動作を人間を映さずにちまちまとやるのはアニメっぽい「メカ(機械を道具、場所ではなく偏愛の対象と見なすフェチズム)描写」で、ガメラ特撮を担当した樋口監督らしさは健在。人間のほうまで髭と煙草で「大人」を表現するアニメ的記号表現なのにはひいてしまいますが。

お話は2.26〜劇場版「パトレイバー」でおなじみ、腐った戦後社会を憎む系テロリストと主人公が戦う話なのですけれど、その種の理屈を支えるべき台詞があまりにも「書き言葉」な上に、押井守系の小難しいハッタリもないので、説得力なし。

そこに説得力を与えるべきは、主人公(妻夫木君はラブコメ要員なので)の役所広司の「総員に告ぐ」、な演説力だと思うのですが、持ち味の弱い人間味描写を見せる描写がないために、「書き言葉」な作品テーマを読み上げるスピーカーに堕してしまっています。フィクションの中の演説というと、どしても、ギレン閣下のような声優説得力をわたしは期待してしまうので、実写だと難しいところですね。

主役よりむしろ脇役の方に、記号的ながら良キャラ描写有りってのも、いかにもアニメ的。下士官役のピエール瀧は、その(人間離れした)見掛けを生かした一見ゴツイが実は繊細、というオイシイキャラクター。瀧と、國村隼の携帯電話のCM的物分りのいい親父が、キャラが一番明解だったかも。副官の柳葉敏郎も悪くは無いですが、映画上映前に「踊る大捜査線」関連作の予告編での登場を見せられて、中の人が気になり過ぎちゃって純粋に作品中キャラクターとして観られなかったのが残念な所。


ワンピース オマツリ男爵と秘密の島
2005.03.12新宿文化シネマ4にて鑑賞

「ワンピース」と「大塚明夫」が醸し出すお約束安心感には細田監督も勝てなかったか、残念。

「どれみと魔女をやめた魔女」「劇場版デジタルモンスター ぼくらのウォーゲーム!」の細田監督には「ハウル」監督降板の件由来の判官びいきも入って、かなりプラス期待して視聴に臨んだのですが...

中盤までのユーモラスなバトルという、いかにも「ワンピース」といった、サブキャラ戦は正直退屈。仲間を失って(「仲間の声援」を前提に勝つ、というワンピースらしさを捨て)、自分の絶望とキモ悪く戦う終盤戦でやっと盛り上がってきます。キモ悪さを劇場版「アニメーション」ならではのグニャグニャ変形と「ぼくらのウォーゲーム!」でもお馴染みの、ちっちゃい物がウンカのように群れる表現、という「絵」的な表現の独自性で、テンション高し。

ただ、その「絵」の迫力が話の迫力に繋がっていないのが難点。

話は、永遠のループ世界という舞台を通じて、主人公に(「仲間の死」を受け入れられるか、という)作品世界を脱出する決断を問う、いわば、「ビューティフル・ドリーマー」的、シリーズのお約束批判、仮想最終回なのです。が、その問いかける側、主人公を追いつめる側、つまり敵に、孤独な乱暴者キャラに大塚明夫声が当然に与える以上の存在感が無いのです。結果、劇場版「ハム太郎」を始めとした、「実はいい奴だった声:大塚明夫キャラと戦う話」の1バリエーションに堕してしまった感が有り、「どうせこの先続くワンピースの劇場版という1エピソード、元鞘目出度し目出度しで終わりなんだだろうな」、的出来レース感が漂ってしまいました。

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MARZ VOLTA「Frances the Mute」/PE'Z「つくしんぼ」

最近買ったCD×2

MARZ VOLTA「Frances the Mute」
ダカダカダカッと高速ドラムったあと、一瞬おいて、ジャーンなドラマチック展開、組曲か10分以上という曲の長さ、歪まないがうるさいギターと、やたら構築系な音。悲鳴っぽいヴォーカルなので、J・アンダーソン美声のかわりに、R・プラントが入ったイエスっぽいかな。わたしも元EL&P信者だし、こういうハード・プログレ(たまに聴く分には)嫌いじゃないのですけれど、2005年の音楽なのかぁ?とも思います。

「ヒプノシス」製作と聞いて納得の「だだっ広いとこに置かれた一枚の鏡」とか、内ジャケ写真のおアートぶりも含めて一貫して超時代野郎なのかも。

スペイン語?がキワ物臭さを増して面白くなっている「L'VIA L' VIAQUEZ」が印象に残りました。

PE'Z「つくしんぼ」
レーベル変わってもスタイルは相変わらず、(どっかで聴いたことあるよな)メロディ指向で、「AUCTION#2」「POP'N'ROLL」が、JAZZ色薄い元気ラテン系が気楽に聴ける出来。JAZZ臭い「ピエロ」「No.6」もあるけれど、スタイルどうこうではなく、曲を、メロディを聴かせたいんだ、ってことが伝わってくるのが彼らの良いところ。前シングルで気に入っていた「情熱の行方」のBPM遅めバージョンも収録されているけれど、これは前シングル版のほうが好み。

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SFマガジン2005年4月号「ベストSF2004上位作家競作特集」

最近読んだSFマガジン

グレッグ・イーガン「ひとりっ子」
トビオ/アトムな代用子供ロボットの話と、作者お得意の量子力学的多世界解釈と自由意志をからめた、ニーヴンの「時は分かれて果てもなく」っぽいネタの2本立て。後者の量子力学ネタのほうが説明が多い割りに、お話の方は前者の典型的な泣かせる親子ネタに終始してしまい、両者があんまり絡まない「2本立て」な小説なので、SF設定と心の話を無理やり結びつける強引さ、というイーガンの持ち味が感じられず残念。普通のSF。
クリストファー・プリースト「火葬」
謎めいたセクシー美女と南の島昆虫ホラーで、エキゾチック文化人類学SFに特有の文学的薫りがします。ただ、なめくじに似た姿で噛まれると死ぬ、という昆虫について、具体的描写もなされる前から登場人物にスライム、スライム、と連呼されると、どうもドラクエの雑魚を連想してしまって困りました。金属どろーり(KONAMIのWebRadio上でのメタルスライム。訳:田村ゆかり)みたいな、言い換えワードが欲しかったかも。
ジーン・ウルフ「録音」
歳取って、親の昔の顔に似てきたなあ、と感じる個人的事情もあり、気のきいたホラー掌編として、楽しめました。
神林長平「罪な方法、模型、模倣、消去」
超過去に製造された犯罪者精神シミュレータを鑑定する話で、メーガン法とか話題になっているのでタイムリーなネタか。「敵は海賊」を連想させる男二人掛け合いスタイルで読みやすく神林の達者さを再確認しました。「現代の現実」を未来の視点から、さも不思議なものと捉える手法はまんま、レム「浴槽で発見された手記」ですけれど、「不可知」に対するレムの視点が古びていないこともあり、印象に残りました。

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「田村ゆかりLive Tour 2005 * Spring fever *」

3月5日 東京厚生年金会館にて鑑賞。

録画しておいた今週のsakusakuみんなでうたコーナー「箱根の歌」を観たら、アイドル&野太い親衛隊コールねたの曲だったので、そうそう、こんな感じ。な「田村ゆかりLive Tour 2005 * Spring fever *」

飛びどころか、大きな横動きも厳しい二階席だったということもあるけれど、昨年8月「さまぁらいぶ」よりは周りの客の温度が低かったような感が有りました。聴き慣れた曲のみで構成され、ライブではなくカラオケ、というイベント色の強い「さまぁらいぶ」とは違って、聞き慣れている筈がない新アルバムのプロモーションであって、客側の対応方針も成長途上な以上、微妙なノリ自体が正しいあり方なのかも。

開演から終演まで2時間半以上という長丁場でしたが、曲数的なボリュームが増えたからではなく、思いつきのようなフリートークを巻きが入るまで続けてた為なので、ラジオでのフリートーク好きとしては満足でした。

その、長いフリートーク中、隣の席の人が、内容をこまめにメモ書きしていて、text化に近いイベントレポートを、きちんと上げるような人は大変そうだなぁ、と思っていたら、フリートークでそのことを触れていたのは笑った。本人に、はてなアンテナのキーワード検索して読んでるぞ、みたく言われたら、書く側も気合いも入るというものでしょうか。

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J・R・Rトールキン「指輪物語10追補編」/石堂藍「ファンタジー・ブッグガイド」

最近読んだファンタジー本小説関連本×2

J・R・Rトールキン「指輪物語10追補編」
映画前に本編1ー45−9巻は読んでしまっていて、「追補編」という資料っぽさに怯えて、これだけ未読/スルーっていたのですが、読む文庫が無かったので消化したところ、ゲームのファンディスク的な楽しさがありました。

全9冊分が10ページでわかる指輪戦争年表や、「王たち、統治者達の年代記」で、王様の名前がずらずらと羅列されるところは、さすがに辛い(読み終えるのが困難と言われた指輪物語のイメージ通り)ですけれど、アラゴルン王の一生や、ドワーフとオークの戦い、を扱った章は、番外編の短編小説として十分面白く読めました。

まぁ、半分以上は非小説なデータ部分なのですが、無意味に凝った裏設定蘊蓄好きには、TRPGのマニュアルを読んでるような気分になる暦の説明や、「ボロミア:学問より武勇に優れていた」といった、三国志チックな用語・人名辞典も、意外と笑えたりしました。


石堂藍「ファンタジー・ブッグガイド」

SFマガジン誌上で海外FTレビュー欄を担当し、ハリポタ便乗本あたりには辛口の評を書き連ねている方による、ブックガイド。

わたしの既読作では、「アラビアの夜の種族」や「ネバーウェア」といった近作もあるものの(本書は2003年末刊行)RPG小説以前の異世界ファンタジィ、児童文学系の(ファンタジィ音痴のわたしでも名前を聞いたことはあるような)古典的名作の紹介が中心で、そのことは、一冊目が指輪物語ってことからも伺えるところ。

1,2頁で1冊を紹介していて、大上段に構えたファンタジィ論が展開されてるってわけではないので、最初から読み進めるよりも、パラパラと拾い読みしつつ、読む本を選んだり(最近読書速度めっきり落ちているんで、どれほど読めるかは疑問ですけれど)、話の種にするのが吉か。

グイン・サーガを「今のところ続きを読もうとは思っていない」、「ハウルの動く城」をアニメ化されてイメージがぶちこわされてしまう前に是非読んで欲しい」といった、歯に衣着せない言説は健在ながら、ジャンル権威主義的に陥らずに、「スレイヤーズ!」を「(難点があると留保しつつ)おもしろい」と、素直に評しているのには好感(わたしがファンだから嬉しいということもありますが)。

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田村ゆかり「琥珀の詩、ひとひら」

週末の春ライブを意識せざるを得ない時期にリリースされた新作CD田村ゆかり「琥珀の詩、ひとひら」。ユーロビート「fallin'into you」での、「翼で、(chorus)wing」みたいな解りやすい前フリをしてくれる、という客レスポンスを前提とした歌詞に象徴的なのですが、ライブでの披露を強く意図してる、と感じました。

「fallin'into you」や、80年代末期アイドル歌謡臭い「薔薇のロマンセ月のセレーネ」、「My Life Is Great」型アップテンポ「Picnic」(ドカドカしたドラム入りなのが嬉しいと、思ってましたがクレジット確認したら、ds入りは「spring fever」と「惑星のランデブー」でした、ドラムが入るような元気系という意味で)あたりが、春ライブでの盛り上がり曲であり、「DAYDREAM」あたりの前コナミ期な、声処理った雰囲気曲「AMBER〜人魚の涙〜」「fantasia」「最果ての森」は、(客にとっての)中休みどころ、といった感じで、ライブ的にはバランス良く/CD単体としては雑然と曲が配置されているところも、CDのテーマ、コンセプト云々ではなく、春ライブでの披露を意図してるか、と。

もっとも、CD単体でなく、ライブや、その準備で愚痴が増える(ほどに面白くなる)であろうNetRadioを含めて、「ゆかりん」という(偽アイドル的)キャラクターを作っていく、というある種の複合芸術ジャンルなので、それも当然の帰結でしょうか。つまり、全ては週末(のライブ)次第。

ファンクラブ会員としては、ペンライトの準備、曲聴き込み、体調保持して望みたいところです。

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