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SFマガジン2005年4月号「ベストSF2004上位作家競作特集」

最近読んだSFマガジン

グレッグ・イーガン「ひとりっ子」
トビオ/アトムな代用子供ロボットの話と、作者お得意の量子力学的多世界解釈と自由意志をからめた、ニーヴンの「時は分かれて果てもなく」っぽいネタの2本立て。後者の量子力学ネタのほうが説明が多い割りに、お話の方は前者の典型的な泣かせる親子ネタに終始してしまい、両者があんまり絡まない「2本立て」な小説なので、SF設定と心の話を無理やり結びつける強引さ、というイーガンの持ち味が感じられず残念。普通のSF。
クリストファー・プリースト「火葬」
謎めいたセクシー美女と南の島昆虫ホラーで、エキゾチック文化人類学SFに特有の文学的薫りがします。ただ、なめくじに似た姿で噛まれると死ぬ、という昆虫について、具体的描写もなされる前から登場人物にスライム、スライム、と連呼されると、どうもドラクエの雑魚を連想してしまって困りました。金属どろーり(KONAMIのWebRadio上でのメタルスライム。訳:田村ゆかり)みたいな、言い換えワードが欲しかったかも。
ジーン・ウルフ「録音」
歳取って、親の昔の顔に似てきたなあ、と感じる個人的事情もあり、気のきいたホラー掌編として、楽しめました。
神林長平「罪な方法、模型、模倣、消去」
超過去に製造された犯罪者精神シミュレータを鑑定する話で、メーガン法とか話題になっているのでタイムリーなネタか。「敵は海賊」を連想させる男二人掛け合いスタイルで読みやすく神林の達者さを再確認しました。「現代の現実」を未来の視点から、さも不思議なものと捉える手法はまんま、レム「浴槽で発見された手記」ですけれど、「不可知」に対するレムの視点が古びていないこともあり、印象に残りました。

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