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山田正紀「神狩り2 リッパー」/桜庭一樹「赤×ピンク」

最近読んだ本×2

山田正紀「神狩り2 リッパー」
イカレポンチな珍作

「神狩り」よりは「顔のない神々」を「ネットの中の島々」と並ぶ世界認識に絶望するSFの最終傑作だ、と思っている人の感想です。いちおう、前作再読して臨みましたが、設定、一部登場人物が被っているだけで、話としては独立しているので不要でした。

少年犯罪を追う刑事物プロットをメインに、「神」論というか、キリスト教+脳科学用語がらみのトンデモ論が延々と展開されます。「フィリップ・K・ディックの小説は間違っていた」といったイカレポンチ完全妄想と、脳とコンピュータを無理矢理なアナロジーで繋いだ激ダサ表現の嵐には失笑。傑作/失敗作/愚作といった評価以前の、珍作としか言いようのない出来で、とうてい真面目には読めませんでした。

終盤のバトルは、「機械獣ヴァイブ」とか連想するような具体性ある怪獣描写と、初期作者っぽさを連想する暑苦しいテンションで盛り上がりますけど、それまでの評価を変える程ではなく。

桜庭一樹「赤×ピンク」
「蹴りたい背中」の仲間。

最近の読めるライトノベルとして知人に勧められた作者の作品。

自分の居場所が無いと感じる少女たちが、女子プロレスに居場所を見いだす、という話で、ライトノベルなのでいつ超能力者とか出るのかと思っていたら、架空設定がないまま終わる普通の小説でした。自分の居場所が無いと感じる少女がアイドルオタの熱情を羨ましがる「蹴りたい背中」の仲間か。これが作者の書きたいものならライトノベルらしからぬファミ通文庫から出すのは不幸な気もしますが、女流作家にありがちなジュニア小説で修行した後ホラーとかで一般行くつもりの人なのかもしれません。

美少女描写を挿絵に任せるライトノベルならではの、ポエム臭いモノローグの連打で肉体性に欠ける(格闘技小説とはとても思えない)文章は正直気持ち悪いのですが、少女の自分探しテーマを直接的に表現しているとも言えるので本作中では有りな手法かも。音楽、映画等の固有名詞で現代っぽさを出そうとするのも、好きじゃないですけど、こういう感覚重視小説中での手法としては認めます。

女子プロレスというネタもそうですが、終盤、性同一性障害ネタが出てきたりして、(「蹴りたい背中」の時も思いましたが)志村貴子系かねぇ、と思いました。

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