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フランク・ミラー「バットマン:ダークナイト・ストライクス・アゲイン」

最近読んだアメコミ(同作者の「バットマン:イヤーワン」も読んだのだけれど、昔スーパーマンとの合本で出たやつと同じで+画家あとがきぐらいしか変更無かったので、最近読んだとは言い難いですし。)

読みごたえはあるものの、超傑作である同作者による前作「バットマン:ダークナイト・リターンズ」ほどの感動は無い、かな。

ヒーローの死、という一種の最終回ネタに託したヒーローの意義を語りつつ、メッセージ臭くしないために、自罰的な男の意地を見せる男のやせ我慢(ハードボイルド)ものドラマの中での照れ隠しに見えるようにメッセージを語っていたのが前作でしたが、同じ作者による続編とはいえ、本作は前作路線とはかなり違ってます。

本作はXメンでよくあった展開というか、人質取られて仲間割れを含めて、多悪役&多ヒーローバトルを多視点同時進行していく展開で、ラストバトルではなぜか敵が急に弱体化していて、なんとなく解決してしまうラストなのもXメンっぽいです。

解説にもありましたが、ヒーロー復活な話を、ヒーローの死を描いた前作へのカウンター的意義を持たせて描いていることは、現代の退廃的風俗が一周回ってスーパーヒーローのタイツ姿がダサかっこいい視される、というネタに象徴的。ヒーローマンガのダサさ(と、あえてそれを選択する意義)を解りやすく示すには、黒を基調としたシンボリックなデザインで、今見てもダサくない姿のバットマンではなく、恥ずかしいガンダムカラーなスーパーマンこそがふさわしく、そんなわけで基本的にはスーパーマンが話の中心です。

スーパーマンが、苦悩の結果、家族のために、優等生の仮面を脱ぎ捨てる、アレックス・ロスの「キングダム・カム」を連想するような明解な主張の話で、ヒーローマンガのダサさ肯定という主張自体にはわたしも好きですけど、本筋が前述したようなとりとめの無いXメン風だらだら話で主張と渡り合うドラマがある訳じゃないので、主張だけが目立つ記号的な作品になってしまったのが、前作より落ちる印象を生んでいて残念なところ。

とはいえ、物語最終盤、スーパーマンの話が終わった後、自らの老いを茶化した台詞で締める、バットマンのやせ我慢度MAXぶりには、心が熱くなりましたが。彼がラスト全部持っていってしまった印象ですが、タイトルも「バットマン:〜」な訳だし、これはこれで良し!

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