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R・A・ハインライン「銀河市民」/伊藤典夫編「SFベスト201」

昔のSF関連作×2

R・A・ハインライン「銀河市民」

殆ど読んでいなかった、ハインラインの作品を復刻を期に読んでみたら、「宇宙の戦士」も合わなかったのを思い出したり。

父/家族/軍、といった古き良き目のモラル大好きな度が露骨で、人種ネタ等モラル系のマイナス面への配慮とかあんまり無く、善悪が綺麗に別れてる記号的な小説なのは、は60年代以前のアメリカ故でもありましょうが、作者の指向性か、と。

モラルねた除くと、主人公の才能や人気に何の理由付けもされないまま、うまく行ってしまう話なので、どこか粗筋を読んでるような気がして、小説としては楽しめず。いくら貴種流離譚といったって、現代ラノベでも、もう少し読者を騙す言い訳はあるかと。

「父ちゃん」というアナクロい言葉の多用は野田昌宏訳らしくはあって、味かな。


伊藤典夫編「SFベスト201」

80,90年代中心の翻訳SFの紹介本(なわけで、サンリオSF文庫多数。)ですけれど、紹介者の主観的感想、内容紹介、歴史的意義のどれを書くかが紹介作/紹介者によって異なっているので、この本全体の視座が不明。

所謂SFの紹介ものをたよりに50年代、ニューウェーブものを読み終えて、これからいろんなSFを読んでいこうとする若い人向けなのか、80年代にSFの黄金期=14歳だった層へ向けての懐メロ(メロじゃないけど)本なのか。あるいは、国内翻訳出版順に並べられた、という本国のSFとしてより「翻訳」されたことに自覚的なつくりなことからみて、昭和風俗としての日本SF研究家がいるとして、そういう人向けの基礎資料なのか。

巻頭言「はじめに」では、「世界のSF文学・総解説」(確か、1ページ3段組のSF紹介本、オチまで紹介してるのを、どうかと思った記憶が。)と現在とを繋ぐ、当初コンセプトだったけど編者の病気で発行が遅れてだいぶ変わったものになった、みたく書かれているけれど、本来はもっと、伊藤典夫色が強い本になるはずだったのかも。実際のブツでは伊藤氏もレビュアーの一人でしかないですが。

「はじめに」での、フレンドリー「ぼく」トーク(口述筆記だからかな?)で、自分勝手なSF論を語るのは、正直、少々気持ち悪いのですが、伊藤典夫の「SFスキャナー」に思い入れがある層にはこれがクリーンヒットで、わたしは微妙に対象外ってことかも。

表紙写真とともに作品セレクション見てると、そりゃ懐かしさも感じますが、80,90年代で200冊だと「ベスト」かぁ、と思わざるを得ない作品もあったりするし、そんな作品を選んだこの本全体の視座が見えないので、なんだかなぁ感が漂いました。

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