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映画「宇宙戦争」

トム・クルーズを目立たせるために無理をした不幸な怪獣映画。

あおり画面で現れる巨大物体に逃げ惑う群衆、建物粉々にしつつゆっくり移動、低音打楽器でドロドロロな音楽といった、伝統的怪獣映画手法はやっぱり好きなので、登場シーンは好印象なのですが、あんまり怪獣自体は暴れてくれないので、どうも肩すかしの印象があります。

怪獣側描写が少ないっていうのか、「ジュラシック・パーク」や「プライベート・ライアン」同様、スピルバーグらしい死体をおもちゃにする描写は健在ながら、主人公以外視点が全くなく、宇宙人の説明をろくにしない(和ものと違って「G対策本部」とか説明無く出せないからしょうがないけれど、軍が出動してるのに「大統領」描写がないってのは意図的か)のです。そのせいもあって、圧倒的に強い宇宙人に襲われる恐怖より、バナナの皮に蹴躓いて転ぶ人に通じる、良く分からない理由で死ぬ不条理感が強くて、逃げまどう主人公達の恐怖に共感できませんでした。

恐怖に納得できていないので、金切り声で泣きわめく、それも、ジャンル映画ヒロインの「助けて」悲鳴じゃなくて、純粋子供泣きなのでかなり不快(だから、吹き替え版だったらだいぶ印象が違ったかも。)なダコタ・ファニング演じる娘と、そんな娘を守るために他人を押しのけるばかりのトム・クルーズには、共感できないですねぇ。「フォーガットン」の主人公も子供のためなら手段を選ばなかったけれど、(敵の手下はともかく)赤の他人には迷惑をかけていなかったから、あまり気にならなかったことでもありますし。

主人公らに共感出来ない以上、落ち着きある老人(モーガン・フリーマン的存在)とか出して対比させて欲しかった気もしますが、そういうトムに共感出来ない場合の気持ちの落としどころはありません。主人公以外の視点を映画に持たせなかったこともそうだけれど、トム以外に焦点を当てるのが嫌だったのかなぁ。スティーブ&トム、コンビの前作マイノリティ・リポート同様、ラスト直前に、トムの見せ場を作る以外には何の意味も無いバトルシーンで気分的には敵に勝つ描写を入れてしまったため、小説ラストの、危ない、、、助かった的解放感も乏しく、パニック映画としても楽しめませんでした。

このラストじゃあんまりだ、と思ったのかもしれませんが、生態系の序列を無視した横入り禁止みたいなナレーションが唐突に入って映画は終わるのですが、作中に逃げ惑う人々に被るように、消息不明者の張り紙が並ぶ911報道以降ならでは風描写あったこともあり、アメリカ第1の序列に横入り禁止ってメッセージか?、と邪推してしまって納得行かず。もっとも、「ウルトラマンティガ」での避難民に炊出すシーンが、阪神淡路大震災テレビ報道のおかげで、説得力を感じる描写のバリエーションになったようなもんだと思いますから、メッセージ云々ってことは無いと思いますが。

2005.07.10新宿アカデミーにて鑑賞。

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