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有川浩「海の底」


前作の評価が高かった、電撃小説大賞作家有川浩の3作目「海の底」を読んでみました。「女流作家」臭さが気になるけれど、完成度は高いガメラ2自衛隊パート風小説かな。

さて、日曜朝といえば「仮面ライダー響鬼」ですが、中学生日記な明日夢少年も、ややヤオイ臭い轟鬼&斬鬼コンビも、幼なじみ好感度が甘々ハーレムアニメ級なもっちーも、皆魅力的な人間ドラマが楽しいです。ただ(ヒビキさんの飄々としたキャラ故でもあるのですが)、仮面ライダー側に怪人への敵意が全くなく、使命感というより仕事としてやってる、害虫駆除のプロという位置づけの怪人(&モンスター)戦なので、モンスター戦パートのカタルシスが乏しく、人間ドラマに「仮面ライダー」を名乗らせるための言い訳としてモンスター戦パートが存在している感があって、そこらがどうも気になってしまうのです。
動物巨大化パニックものながら、巨大生物自体の描写は少なく、相手する人間側ドラマが中心の本作にも似た印象を持ちました。

自衛官・機動隊ヒーローものなのと、テレビやインターネットによる間接描写の多用には、映画「ガメラ2」風の印象が強いです。そうした連想元ができてしまうわかりやすさといい、強面の「夏」木、優男の「冬」原という主人公コンビの名前や、D・R・クーンツ的記号トラウマを持った悪役や、子供庇って死んだ艦長に見られるベタ度高めのキャラ描写といい、パターン準拠した省略ぶりが目立ちます。巨大生物についてもそんな感じなので、怪獣ものとして観ると、特に終盤は尻すぼみです。

けれど、そこら辺はきっと、作者の書きたいところじゃないから意図的に省略されたのだとは思います。モンスターの恐怖を伝えるための機動隊パートはまだしも、切れ者の警察上層部パートはこの結末の物語にはほとんど全く不要で、主人公自衛官男子キャラの凸凹描写の多さといい、作者の小説を書くモチベーションが、カッコイイ男が書きたいってところにあったんだなぁ、感じてしまいました(「女流作家」へのわたしの偏見も大きいですけれど)。

緊迫感のある展開だし、読みやすい文章の完成度は高い小説ですが、読了に時間がかかったのは、そうした小説中の重心が置かれてる「作者の書きたいこと」が、ちょっと苦手な小説だったから、かと。ハードカバーを持ち歩くのがおっくうだったのもありますが。

まぁ、自罰的生真面目さのボーイッシュ女子高生を本仮屋ユイカ、無骨にふるまってしまう不器用な海上自衛官を伊東英明、といった脳内キャスティングが填りそうな、甘々なラストシーンは大好きなのですが。

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『海の底』有川浩/著(メディアワークス刊)待ちに待った、有川浩さんの第3作『海の底』です。海自もので潜水艦もの、という先行情報を聞いていたのですが、僕の印象では・・・・・・機動隊もの。いやぁ、仕事にかける『漢』の生き様を見せてもらった感じ。結構、漢泣き...... [Read More]

Tracked on 2005.07.21 at 07:51 AM

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