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映画「シン・シティ」

「原作マンガ」への敬意が悪い方に出てしまって…

武装娼婦が大挙出演する第2話に参加したQ・タランティーノは、網タイツの女が銃を撃つってのが好きなだけなんでしょうねぇ。「ジャッキー・ブラウン」の中で登場人物が見ていたTV番組みたいなやつ。「魔法少女リリカルなのはA’s」みたいな戦闘少女物アニメを、わたしも好みますけど、作り手の好きなものが置いてあるだけ、で面白いかというと別。わたしはタランティーノ映画好きですが、その魅力は、引用した「好きなもの」という、ネタそれ自体より、ネタや台詞を過剰に詰め込みぶりから溢れ出る、「俺の好きな物を観てくれぇ!」的情熱の暴走にある、と思いますので。

本作の場合、タランティーノは協力者で、R・ロドリゲス監督の映画ですが、「原作マンガ」への敬意が悪い方に出てしまっていて、パム・グリアへの個人的敬意が暴走を抑制してしまった「ジャッキー・ブラウン」のイマイチぶりを連想してしまうような、疑問の残るデキでした。

既読の原作マンガ版「ハード・グッドバイ」を含む3本立て。マンガを意識してか(一部キャラを強調するために色が付いてますけれど)モノクロなのですが、マンガ版のような構図が決まってる感は無し。原作版での影絵の魅力って、止め絵ならでは、な対称性の強調にあると思いますので、マンガや止め絵紙芝居な日本アニメならともかく、動くのが当たり前の実写映画では、印象が弱いです。

作りたい「絵」に、輪っか光線銃が敵ロボットのどてっ腹をぶち破る「スカイ・キャプテン」的幼稚ですけれど、見ているだけで楽しくて浸れる何か、があればいいのですが、アクションシーン・銃撃シーンの動きが緩慢で、大きな炸裂音で迫力を出しているだけなので、浸ることもできず。

絵だけでなく、3本立ての3本ともに、純情男が女をいたぶる悪い奴をやっつけて、自分も死ぬ、という同じ美学話なので、お話の方にも魅力がありませんので、少々退屈してしまいました。そりゃ、「ダークナイト・リターンズ」だって結局、アナクロい「男の美学」全面肯定ですけど、途中では照れ隠しにインテリっぽい自嘲があって説得力を増したりしますのに、本作の一人称ハードボイルドな主人公たちは、大人の余裕を煙草吸うシーンで表現するような、(悪い意味でマンガ的な)記号的な単純さばかりが目立ちました。

2005.10.09新宿ミラノ座にて鑑賞。

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Tracked on 2005.10.16 at 04:02 PM

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