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映画「TAKESHIS'」

「座頭市」の成功で、客に受ける映画を指向するか、と思いきや、笑っちゃうくらい、お芸術キタノ路線でした。

「みんな〜やってるか!」を思わせる、有名人を出すだけの寒すぎるギャグ。「ソナチネ」「HANA-BI」以来の大杉漣寺島進をはじめとして、「座頭市」での踊りのシャープさが印象的だった早乙女太一まで登場する、北野映画同窓会的キャスト。「3-4×10月」「ソナチネ」同様の、終着点としての沖縄ビーチ。「Dolls」深田恭子パートを思わせる、有名人追っかけの報われぬ愛モチーフ。と、北野映画の記号が乱舞。もちろん、「青」の人工的強調もあり。

同じキャストで手癖っぽく撮っていれば、観たことのある印象の画面になってしまうのは当然で、それ自体はファンにしてみれば別に悪いことじゃないですけど、その画面で何をしたかったのか、というと…??でした。

岸本加世子の悪意のこもった笑い顔は、デビッド・リンチ「マルホランド・ドライブ」冒頭で登場する、襲いかかる老夫妻を連想させまし、「ここから先は行かない方がいい」、という悪夢的な閉鎖空間を思わせる大杉漣のほぼ唯一設定説明台詞もあります。だから、「マルホランド・ドライブ」型(「ミュージックマガジン」「映画秘宝」の本作評でも例に出されていましたけれど)の意味不明な悪夢ものってことになるのでしょうか。

でも、「マルホランド・ドライブ」の場合ですと、不条理ではありますけど、登場人物には感情移入できる感じがあったと思うのです。が、登場人物の共感できそうな感情表現を極度に拒否する北野映画と、観客も不条理に「感じる」視点を必要とする不条理ものの相性の悪さゆえでしょうか、本作は、気味悪い不条理もののというより、話が「ない」、といいますか、現実と思っていたのが一瞬の夢(「オチ」というより、最初から取り留めのない夢)の話に終始していました。

映画以前の未整理・未編集な映像をそのまま観せられた、というか、「面白い」or「つらい」の判断を下す以前の状態ですので、次の北野映画には一応期待しつつ。

2005.11.13 丸の内プラゼールにて鑑賞

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