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ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」(角川文庫)

聖杯とか、フリーメーソンとか、死海文書とかの西洋史ウンチク+通俗ミステリ。

そりゃ、ダ・ヴィンチが未来人だったり、聖杯の力でアーサー王を召還したり、といった、SF・伝奇っぽい展開は期待しておりませんでしたが。

でも、ただの歴史的アイテムでしかない聖杯探しを、登場人物たちに必死にやらせるためには、特殊な理由を置くか、滑稽なキャラにするかしかないせいなのか、不自然さが目立つ話でした。

観光地トラベルミステリのような不自然な展開なのは、「悪人」「謎の人」「ヒロイン」という枠組みを全く逸脱しない、類型的な内面描写でいっぱいな、海外ベストセラー小説ということで、諦めるにしても、ウンチク以外には、他の部分にも全く魅力がありません。話を引っ張るためにダイイング・メッセージとかの暗号を多用していますが、暗号の出し方&解き方が非常に恣意的です。読んでいて「なるほど!」と感心するではなく、「それが正解なの、フーン。」という感じに終始しました。

ウンチクの方も、わたしが世界史に疎いせいも当然ありますけれど、強引な展開と小説キャラの会話による説明が下手なこともあって、楽しめず。古美術+歴史+ミステリという類似ジャンルだった、高橋克彦「写楽殺人事件」にあった気がする、小さな謎が組み合わさって大きな絵が生まれていくような驚きはありませんでした。

唯一、荒俣宏による巻末解説に、「俺の方が知ってるぜ、ふふん♪」的な稚気が感じられて、好印象でした。


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