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若島正編「ベータ2のバラッド」(国書刊行会)

ニューウェーブSFのアンソロジー。粒ぞろい。

サミュエル・R・ディレイニーによる表題作「ベータ2のバラッド」は、ぶつ切り手記で見知らぬ世界の旅、というと、<未来の文学>ですし、また叙述トリックか、と最初は怯えましたが、そんなことはなく一安心。謎少年ときらびやかな世界イメージが、いにしえのSF少女漫画的で、「ノヴァ」とかの作者らしい作品。アンソロジー中ではもっとも印象に残りました。

ウィリアム・バロウズの引用とかもあって、実験っぽさがバリバリの、バリントン・J・ベイリー「四色問題」は、読み進めるのは辛かったですが、いかにもベイリーともいえますし。他は、ナチ勝利世界を舞台に、反抗美学話のキース・ロバーツ「降誕祭前夜」や、情念描写が「声なき絶叫」とかをちょっと連想させるホラーのハーラン・エリスン「プリティ・マギー・マネーアイズ」は、フラッシュバックとかの無い、古典的な構成で解りやすく、文学っぽい小説といった印象を受けました。リチャード・カウパー「ハートフォード手稿」の元ネタとして巻末に付されたH・G・ウェルズ「時の探検家たち」は、形容詞を読点で繋ぎまくった1文の長さが、いかにも昔の小説らしいです。

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