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乙一「銃とチョコレート」(講談社ミステリーランド)

小説(著者紹介での漫画原作って、「GOTH」とかの漫画化を指すのでしょうか?)ですと「ZOO」以来の乙一作品です。

怪盗が登場する前回配本の法月同様に「ミステリーランド」だからでしょうか、名探偵や怪盗も登場はしますが、あくまで脇役。主人公は少年主人公の、巻き込まれ型サスペンス。引っかかり無く、すらすら読めるところは、作者ならでは。

主人公が解くように予め仕組んだ謎を解く、という話なので、やや、段取りをなぞった感が残るのが残念なところ。分量が少ないせいもありますが。名探偵に心酔する少女とか、思わせぶりに出てきて、それっきりなので、設定の未消化感があります。捕まってるのに説教してしまう母親のキャラ立ちぶりとか、どこかアニメの第1話だけを観たような読後感です。

逆に言えば、キャラクターたちの続きが読みたいということでもあります。特に、傲慢(一人称は「おれさま」)かつ残酷ではあるものの、頭は切れるし、大人にも一歩も引かない番長キャラドゥバイヨルは、敵にしたときは恐ろしく、味方にしたときは頼もしい名脇役。次は、彼の話を読みたいところです。

話の可愛いらしさとは、ミスマッチですけれど、平田秀一の挿絵は表紙の猫や、悪役のどアップの怖い感じが、単行本ならではの味。映画「イノセンス」の美術監督という経歴が腑に落ちます。

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