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細川貂々「ツレがうつになりまして。」 (幻冬舎)

やや、綺麗ごと臭いですが、希望に溢れています

企業の電話サポート担当という、ストレスの多そうな仕事の夫が、患った鬱の闘病漫画です。作者は、妻で、漫画自体は、白くて線の少ない、女流エッセイ系漫画系に多そうな絵柄(巻末掲載のペットのイグアナ飼育漫画が普段の作風のようです。ペット自慢ものの常で、あまり楽しめませんが。

曜日ごとの締めるネクタイを決めているような、神経質な夫と、のんびり屋の妻といったキャラ配置のエッセイ漫画で、妻の支援を受けつつ、夫の、退職、作業療法としての家事、外出恐怖、自殺念慮といった鬱関連ワードの紹介と、鬱から立ち直るまでを、描いています。

作者の「理解ある妻」なイメージ演出には、やや綺麗ごと臭さを感じさせる面もあります。けれど、ところどころに入った、夫の理性的なエッセイ文が、ツッコミ的効果を上げていて、自分自慢、という私小説的な作品が陥りがちなところから、うまくバランスを取っています。妻の感性エッセイ漫画+夫の理性的文章の組み合わせで、バランスを取る手法は、絵柄も似ている、小栗左多里&トニー・ラズロ「ダーリンの頭ン中」連想しました。単に、女流エッセイ漫画界では、夫を出すのがメジャーな手法、ってだけのことかもしれませんが。

1頁4コマで台詞は2行以下、といった、文字数の少ない、あっさりとしたボリュームの作品で、(ある程度)治るところまでを描いているため、細かい所までの描写はなく、鬱病ものにしては薄口の印象です。自殺未遂といったハードな題材もありますが、夫の顔が、(「ちびまる子ちゃん」の)永沢君風という、せいもあってか、あまり、陰惨な印象は受けません。

ソフト目の展開からのラストが、元気になって良かったですね、という希望を与えるラストになっていることは、読後感を良くしています。

興味深いのは、クラシック好きから民族音楽に走ったり、以前は興味の無かったゴジラ映画を見まくったり、と病後の趣味変化が極端なところ。変化っぷりには、「治る」というより、(人間自体が)「生まれ変わる」、といった部分があるのでしょうか、と思いました。

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