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吾妻ひでお「うつうつひでお日記」(角川書店)

「鬱」設定の読書日記として面白い

鬱闘病日記ではなく、作家の殊能将之がweb上で書いている日記を連想するような、読書とTV(格闘とお笑い)と食事日記。読書日記はSFも多くて、情報誌「2ちゃんねるぷらす」の連載を読んだとき、「SFネタが多い」なあ、と思っていたのですが、納得。イーガンとか読んでいたのですね。

帯のキャッチフレーズは「何もしてません」。確かに「失踪日記」での、ホームレス体験みたいな、レポ・マンガとして興味深い対象は、出てきません。ですが、淡々と日常を綴る中に、安定剤を飲んだりする描写や、幻覚(台詞吹き出しの中に魔物のような)がシームレスに入ってくるつくりは、日常と異常とをシームレスに描く北野勇作「かめくん」タイプの作品に通じるものがあって、興味深いです。

レポ・マンガも好きですけれど、レポ・マンガの面白さは題材由来の部分を差し引くべき、と考えていることもあり、正直、「失踪日記」より本作の方が好みです。頭痛持ちといいますか、頭痛薬愛好家なので、ロキソニンとバファリンの違い話に共感できたから、というのもあるのですが。わたしも、ロキソニン→バファリン派。

とはいえ、自覚無く、同じ日の日記が二回続く部分には、さすがに、驚きました。記憶が飛んでいたのでしょうか。日記=日常感覚が不連続ですと、「ケルベロス第五の首」的、日記の矛盾トリック小説も形無し?否、日記内に「ケルベロス」の感想も入っていますから、本作自体が叙述トリック?かも、とか勘ぐってしまうのは、わたしの手記文体に裏の意図を探ってしまう病なだけでしょうけれど。

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