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映画「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」

TV版の完全なる蛇足

楽しい時間は終わってしまっても、残っていくものはあることを、ぶっさんの位牌で象徴した、TV版最終話。

TV版の段階で爽やかに完結している以上、映画版続編が、蛇足になるのは、仕方ないところ。ただ、前作の映画版「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」には、唐突なCG怪獣や南国ロケに、「映画」というイベントによる祝祭感がありました。今回は、祝祭感もない、単なる懐古に終始しています。

前作は、お祭りだった第7話の再話でしたが、今回は、野球をしつつ、主人公である、ぶっさん最後の日々を、各キャラが回想を交えて見送る、シリアスが入った、TV版最終話の再話です。

TV最終話から3年後の設定で、「劇画・オバQ」ばりの、ぶっさんが復活しても、かつての頃には戻れない、という展開。けれど、モラトリアムもののキャラクタとして成立させるためか、「劇画・オバQ」での正ちゃんの奥さん的な、成熟の象徴がありません。アニマスターは、新生活に失敗しており、バンビは就職していますが、仕事に満足しておらず、また、映画中、単なる思いつきで、あっさり辞めてしまうので、成功しているようには見えません。登場人物の、成熟が見えてきませんので、得たものもあるから「戻るわけにはいかない」、ではなくて。顔面アップを多用する絵面から漂う、キャラの老化ぶりが、もう「戻れない」と、思わせているだけなので、共感はできず。

主人公たちよりも、当時を否定する、栗山千明(怖い女役は、ベタとはいえ、手堅い出来で、見どころに乏しい本作の清涼剤)演じる、鬼自衛官のほうに共感してしまいましたので、話には乗れず。終盤も、(宮藤作品らしく)ドラマチックな盛り上がりを拒否する展開ですので、なぜか改心してしまう鬼自衛官にもついて行けず、ダメ人間の団結一念発起ものとして見ることもできず、結局、話に乗れないまま、視聴終了。

映画用主題歌「シーサイド・ばいばい」をフェードアウトして、TV版主題歌「a day in our life」をバックに、旧作の名シーンを流すエンドロールの後ろ向きぶりが象徴的です。ハーレムものアニメが(話を終わらせるためだけに、)終盤、シリアス展開するのを観たときのような、モラトリアムものの最終回を纏めることの難しさ(&TV版での奇跡的達成)を痛感しました。

2006.11.03 ワーナーマイカル新百合ヶ丘にて鑑賞。

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Tracked on 2006.11.13 at 12:36 PM

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