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Jaco Pastorius「Jaco Pastorius The Early Years Recordings」/黒薔薇保存会「飛べない天使」&「花火」/The Good, the Bad and the Queen「The Good, the Bad and the Queen」/STUDIO APARTMENT「ISN'T SHE LOVELY (DJ KAWASAKI REMIX)」

最近聴いた音楽

Jaco Pastorius「Jaco Pastorius The Early Years Recordings」
Jazz Bassの人。名作といわれる1st(未聴)以前の70年代初頭、色々な名義の作品を集めたものですが、Sly「Higher」のカバーも入っていたので、最近出た、本作のほうを購入してみました。
「The Balloon Song」での即興Bassソロ大会ぶりは、Squarepusherから変則リズムボックスを抜いて、前衛Jazz Pianoを入れたような感じ(年代的には、逆なのでしょうが)。
ホーン隊が吹きまくるJazzが中心ですが、Jazz Funk気味の「Opus Pocus」Jimmy SmithっぽいOrgan Jazz Funk「The Chicken」The Whoを連想させる、だみ声絶唱ソウル「Do You Like the Sound of the Music」のような曲もあって、いわゆるJazz一辺倒でないのは、(色々な名義の作品を集めたものだからでしょうが、)JAZZ門外漢には、聴きやすいです。

黒薔薇保存会「飛べない天使」「花火」
ユイエルa.k.a堀江由衣率いる、新バンドのシングル×2。歌声は普段の作品通りながら、記号的ギターソロと、ドラム・ロールが、80年代の和製ハード・ロック風。エロビジュアル系かどうかはともかく、綺麗な伴奏ばかりの、堀江名義の作品には無い、新味が有ります。
リズム・ボックスと、堀江鼻歌だけで製作されたデモも収録しており、ちょっと、Young Marble Giantsを連想させる朴訥さがあります。中でも、「flower」デモの、途中でヘタってしまう鼻歌が可愛らしく、一番の聴き所です。

The Good, the Bad and the Queen「The Good, the Bad and the Queen」
元blur、DAMON ALBARNの新バンド。ピアノやアコースティックギターを伴奏に、朗々と(口の中に空気を溜めて歌う、David Bowie的に)歌う、DAMONが主役で、blur程、曲もキャッチーって訳でもなく、歌を聴かせるのが中心の作品でした。英国ロック歌手のソロ路線とでもいいますか。Tony Allen目当ての購入でしたが、Tonyらしい手数の多いアフロ・ビート色のドラムを聴くことが出来るのは、「Three Changes」ぐらいなのが残念。

STUDIO APARTMENT「ISN'T SHE LOVELY (DJ KAWASAKI REMIX)」
Stevie Wonderの曲をハウス版カバー。渋谷TowerRecordで、かかっていたのを聴いて、気になっていたら、iTMSに有ったので、アルバム「BEAUTIFUL TOO」から、1曲つまみ食い。
ハウス+耳に心地良いシンセ音+耳に心地良い男声ファルセットなので、非常に、聴きやすいです。しかし、「ISN'♪T 」って、無理矢理、Stevieのモノマネっぽく強弱付けて、歌う必要はないとは思うのですが…

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ジョージ・R.R. マーティン「剣嵐の大地〈3〉―氷と炎の歌〈3〉」(早川書房)

先が気になる終わり方!
月1刊行だった「剣嵐の大地」も、最後の3分冊目。エピローグでの、退場した、と、思いこんでいたキャラの再登場には、ちょっと驚きました。しぶといですね。

終盤、1分冊目2分冊目の間延々と、鬱屈を溜めているだけだった、ティリオンのパートが、大爆走。兄弟対決を含めて、素晴らしく盛り上がります。3分冊目のMVPといったところでしょうか。もう一つの盛り上がりといえる、ジョンの防衛戦パートをはじめとして、脆い心と勇気とが交錯する、人間ドラマ(というか、”泣かせ”)中心の、作者らしい、作りで、久しぶりの、読了するのが惜しい小説でした。

3分冊目ラストは、「続く」ではあるのですが、主要登場人物は、皆、次のステージへ向かう、という、先が気になる終わり方。「氷と炎の歌」〈4〉の早期刊行を強く希望したいところです。読み返しも行いたいところですが、ハードカバー持ち歩きは辛いので、文庫版買い直しも検討しつつ。

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「世界樹の迷宮」ファースト・インプレッション

新しい酒を古い皮袋に
「世界樹の迷宮」は、Nintendo DSの3DダンジョンRPG。2階までマッピングした時点(パーティ全滅1回)での第1印象。

ダンジョンで出会う、最初のザコ敵が、戦士系キャラの最大HP×1/2を削る攻撃をしてきたり、魔法が直接攻撃の十倍近いダメージを出したり、という、極端な戦闘バランスといい、登場人物には名前/キャラが無く、(「氷と炎の歌」シリーズのスターク兄弟の名前を付けてプレイ中。)ジョブのみ存在する、質実剛健ぶりといい、(古き良き?)「ウィザードリィ」タイプ。FM音源サウンドの音色のせいもあって、懐かしのRPG色が強いゲームです。

只の懐かしゲームに留まらない新味は、Nintendo DSらしく、タッチパネルを使ってのマッピング。早速、マップを書き間違えて、出口が見つからなってしまったのには、苦笑しましたが(「ウィザードリィ I」3Fでも、回転床に気付かず、矛盾するマップ作って迷走した記憶が…。)、タッチパネルの操作性が快適で、文章の書き込みを含むマッピングをストレスがなく行えることは、素晴らしいです(正直、最近は、紙に手書きすること自体、億劫ですから…)。

最近、ちょっと手を付けた、DS版「数独」にも通じる、マス目を埋めていく楽しさを、手軽に味わえることに、「新しい酒を古い皮袋に」感を持ちました。

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「のだめカンタービレ」/「ひだまりスケッチ」/「ヴィーナス ヴァーサス ヴァイアラス」/「デビルシャドー」/「月面兎兵器ミーナ」の第1話感想

「地球SOS」録画ミス。無念。

9.「のだめカンタービレ」(フジ 木曜深夜)
OP曲「Allegro Cantabile」(SUEMITSU & THE SUEMITH):クラシック畑から来た人っぽい、壮大なピアノ・ロック
ED曲「こんなに近くで...」(Crystal Kay):あっさりディーバ風
音大を舞台にした、天才と秀才もの。第1話で、キャラの紹介と、お互いを認めるまでを、テンポ良く。川澄綾子の可愛らしい鼻歌は、(変な奴描写が極端すぎて)嫌みになりそうな主人公の好感度を上げています。提供YAMAHAはネタっぽいですけれど。○△

10.「ひだまりスケッチ」(TBS 木曜深夜)
OP曲「スケッチスイッチ」(阿澄佳奈、水橋かおり、後藤邑子、新谷良子):クラップ入りの合唱。
ED曲「芽生えドライブ」(marble):浮遊感のある女子ネオアコ
内容:女子寮もの。主人公をはじめ、天然ボケのいい子ちゃんキャラばかりで、引っかき回しキャラにつっこむキャラがいない(美羽茉莉だけで、「苺ましまろ」をやっているような)せいか、盛り上がり無く、第1話終了。ひたすら、緩い作りなのは、芳文社の萌え4コマ原作ものらしい、とは思いますが。水道、足音などの効果音と、作中何度も使用される、アイキャッチ画面の作為性ばかりが印象に。△×

11.「ヴィーナス ヴァーサス ヴァイアラス」(TBS 木曜深夜)
OP曲:「Bravin' Bad Brew」(Riryka):デジタルビートに、硬質な女声
ED曲:「至純の残酷」(妖精帝国):打込女声ハードロック風バラード
内容:美少女コンビの魔物ハンターもの。二人の特殊能力(邪眼&多重人格)を説明しただけで、1話終了。面白がるべきところが、設定バトルなのか、キャラなのか不明。×

12.「デビルシャドー」(TVK 金曜夜)
ED曲:「リップグロス」(二村佳代子):奄美系訛りが微妙に入った女性バラード
内容:ゾンビ風魔物を、退治する少女の実写物。悪魔とかの設定説明に時間を取られため、主人公が覚醒する間もなく、敵に襲われて終わり。OP映像を見ると、岩に刺さった剣とか、使うようですが、そこまで行くのに時間がかかりそう。能力者の苦しみ自体は説明せずに、学校をサボる描写を入れているので、主人公への感情移入も困難。×

13.「月面兎兵器ミーナ」(フジ 土曜深夜)
ED曲:「ビューティフル・ストーリー」(井上麻里奈):浮遊感あるテクノ歌謡
内容:女子高生変身ヒーロー物+テレビ局内幕物。2本分の設定を説明した上、残り時間に、メカ、胸揺れ、パロディをDAICON4OPばりに文脈無しに詰め込んだら、物語を挟む余裕はなかったようです。△×

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映画「スキャナー・ダークリー」

抽象的アニメ世界での雰囲気系

後期P・K・ディック作品の映画化。原作は、ドラッグの中毒者の日常に、埋没していくだけの、雰囲気話で、感傷的な後書きのほうが、印象に残っているぐらい。映画でも、原作後書きの内容を、エピローグに付けてしまっているぐらいですので、お話の印象は、薄いです。

お話より、(「Take on me」PVが懐かしい)ロトスコープ手法による、絵の雰囲気を楽しむべき作品です。劇場パンフレットによると、完全なロトスコープではなく、コマ間をCG補完しているとのことで、CG補完のせいでしょうか、動きにCG的ヌルヌル感があります。看板塗りといいますか、ベタっとした色塗りのせいもあって、どこか、トゥーン・シェーディングのゲームCGを思い起こさせる、リアルともアニメとも付かない絵柄が、(現実とも非現実とも付かない)ディック原作に填っています。

特に、焦点が合っていないような、キアヌ・リーブスの目つきは、ロトスコープでアニメ絵化しても、実写と変わりません。自由意志を喪失したアニメキャラのような、瞳がベタ塗りは、ドラッグ中毒者/ディック小説キャラらしいです。

アニメでドラッグ物というと、すぐ思いつきそうな、アニメを利用したドラッグによる世界変容描写は冒頭にちょっと有るくらいで、少な目です。ただ、実写風CGでやったら、気持ち悪そうなスクランブル・スーツの人体ランダム表示が、綺麗に描けている(そして、少し退廃テクノロジーっぽい)のは、アニメ絵ならではのナイス表現で、雰囲気を出しています。

トム・ヨークの単調テクノにぼそぼそ声、というエンディングテーマが、填っている、雰囲気に浸る系の映画です。

12/30 シネセゾン渋谷にて鑑賞。

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映画「劇場版  どうぶつの森」

抽象的アニメ世界での雰囲気系

アイテム収集ゲーム(64版、DS版、共に、序盤で挫折しましたが。)の映画化。
堀江由衣(の中でもかなり高音目の声)&折笠冨美子シェル先輩を思い起こすような、落ち着き系。)という、深夜アニメの主役級×2による、掛け合いが聴けるだけで、良いです。

ただ、ゲーム自体に、はっきりしたストーリーが無いこともあって、映画版も、バイトや化石集め、といったゲーム内イベントを提示するだけで、淡々とした日常に終始しています。別れてしまった恋人たちの話なんか、未消化で終わりますし、お話としては、面白味に欠けます。

もっとも、「森」に主人公が来た理由や、村人の大部分が動物である理由を、作中で全く説明していないので、観た目通りの、実際の世界を舞台にした少女の自立ドラマではなくて、抽象化世界での箱庭療法もの、と邪推する余地はあります。けれど、主人公が治療中という話だとしますと、また、「森」で一年を繰り返す、というラスト(&「Wii版で会いましょう」というテロップ)は、後味が悪すぎです。やはり、見た目通り、ゲームの追体験として、雰囲気を楽しむべきものでしょうけれど、ゲーム挫折者には、いまいち。

大貫妙子の癒し系バラードでエンディングというのが、填っている、雰囲気に浸る系の映画です。

12/28 ワーナーマイカル新百合ヶ丘にて鑑賞。

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SFマガジン2007年2月号「日本作家特集」

悪くはないですけれど、地味。

小林泰三「盗まれた昨日」☆1
「メメント」ねたの、記憶混乱が自我混乱を呼び起こす話。サスペンス仕立てということもあり、西澤保彦「人格転移の殺人」を連想しました。

田中哲弥「羊山羊」☆0
狐憑き話?理由不明の異常、を扱った話を「死にました。」で終わらされると、物語というより、単なる設定説明を読まされた気分になります。

森奈津子「陽根流離譚」☆-1
男性器型宇宙人の話。説明なく「変な宇宙人」を扱った話を「帰りました。」で終わらされると、物語というより、単なる設定説明を読まされた気分になります。物語に面白みが無い分、ジェンダー系特有の図式性が鼻につきます。

藤田雅矢「口紅桜」☆1
妖木を巡る伝奇小説。伝奇ものとしては、意外性を欠くオチですけれど、樹医が主人公というところに新味が有ります。ドリルやパテを使う樹医の作業描写の即物的な分だけ、蟻鬼などの幻想描写が引き立っています。

連載 夢枕獏「小角の城」☆0
今回も、「城には秘宝が…」の説明。まるで、ファミコンRPGの町の人の話を数ヶ月毎に一人ずつ読む状態。主人公たちは、早く城へ向かって下さい。

連載 田中啓文「罪火大戦ジャン・ゴーレ」☆1
また、新キャラ出してバトルかぁ、という気もしますが、主人公ピンクが活躍しているので、良し。

スティーブン・バクスター「避難所」☆0
壮大宇宙SF。短編で描くには、コミカルな主人公の描写より、「フェルミのパラドックス」の説明が大きすぎて、主人公のキャラと絡めたオチが唐突な感じになっています。

連載 梶尾真治「ノアズ・アーク 怨讐星域」☆0
宇宙船脱出側のホームシックを描いた、第1話の後日譚。自殺の扱い方とか、独立した短編として読むには、図式性が強すぎるかも。

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「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」/「Master of Epic -The AnimationAge」/「タイムスリップ川中島」の第1話感想

2007年1月期アニメ等第1話感想×3。美少女系と割り切れば、期待できる?

6.「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」(テレビ東京 日曜深夜)
ED曲「/Lucky&Happy」(林原めぐみ):クリアな声とシンセホーン(?)で、80年代。
内容:キャラ表記こそ、ぷに美少女ながら、型破り転校生が周囲の無気力と戦う、というオーソドックスな学園物。主人公が変人ながら、好漢に描かれているので、視聴後の後味が良いです。(堀江由衣の歌で問題解決とか、平野綾のツンデレキャラとかいった、戦略的な飛び道具も目立ちますが、)プロットを妙に捻る悪癖が出なければ、基礎体力の高い制作ufotableの良さが久々に発揮されそう。○△

7.「Master of Epic -The AnimationAge」(テレビ東京 日曜深夜)
OP曲「Miracle Episode1」(クローバー ):アイドルグループっぽい合唱。
ED曲「まもらせて・・・」(宮崎羽衣):ピコピコシンセ音。
内容:ストーリー性が希薄になりがちなMMORPGのアニメ化とはいえ、RPGのパロディ4コマを、アニメ化するというスタイルには驚愕。2,3分/1話のペースをノンストップで続けるネタ消費スピードと、進行役にしゃべくり系ベテランの田中真弓という安心感のおかげで、馬鹿馬鹿しさを手堅く纏めた感が有ります。アニメ版「ギャラクシーエンジェル」的。ただし、「RPGのお約束」を笑うネタを消費し尽くした後、どうするかに不安が残りますが。△

8.青春アドベンチャー「タイムスリップ川中島」(NHK-FM 月夜~金夜)
年始恒例、大河ドラマに無理矢理舞台を合わせた、タイムスリップ物のラジオドラマ。そのため、原案とは遠く離れてしまったけれど、無理矢理な駄洒落に鯨統一郎っぽさを残しています。今年は、いきなり川中島→ライン川中洲という、無茶苦茶ぶりと、田村ゆかり演じる主人公「うらら」の蘭花を連想させる、がらっ八キャラに、ギャラクシー・エンジェル的痛快さを感じます。15分、という短さで、気楽に聴くことが出来るのも長所。○

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牧野由依「天球の音楽」

歌も演奏も自然
既発シングル「ユーフォリア」や、そのc/w「雨降花」のAlbum Versionを収録した1stアルバム。

声の綺麗な人にありがちな、ピアノや弦をバックにバラード調とネオアコ系ばかりかな、と、思いきや、さにあらず。ドラマチックに盛り上げるロック調「ユメノツバサ」、ウィスパー+サイケギターがCocteau Twins風「CESTREE」、ゲーム「ナップルテール」を連想させる(のは菅野よう子作という事情もありますが)、似非ヨーロッパ趣味の「オムナ マグニ」といった、派手な曲、変わった曲もあるので飽きずに聴くことが出来ました。

声優物に多い、打ち込み然とした、伴奏ではなく、生演奏っぽい伴奏には、田中理恵「24 wishes」を思い出すような、安心感があるのが好印象。同じvictor制作だから、ということもありますが、歌がナチュラル系、というところが大きいです。

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「セイントオクトーバー」/「デルトラクエスト」/「京四郎と永遠の空」/「神様家族」/「世界名作劇場レ・ミゼラブル」の第1話感想

2007年1月期アニメ等第1話感想×5

1.「セイントオクトーバー」(テレビ東京 木曜深夜)
OP曲「Wheel of fortune」(片岡あづさ、福井裕佳梨、小林ゆう):早めのリズムボックスに女子合唱。
ED曲「未知なる場所へ」(福井裕佳梨):声量のない歌声が、バックの弦に負けています。
内容:ショタ少年を守る変身少女剣士、っていう、同じコナミ制作の「おとぎ銃士赤ずきん」同様の話です。ノート・パソコンで情報収集、偽ヨーロッパ風の街、個人用飛行装置、カードで変身という、現代ものともSFともファンタジィとも付かぬ中途半端な設定が、ご都合主義色を強めています。背景CGに重量感が無いのが、安っぽい印象を強めています。背景に歌詞をちりばめたOP映像は良かったですが。△×

2.「デルトラクエスト」(テレビ東京 土曜朝)
OP曲「HEART☆BEAT」(MARIA):クリアなギターと、伸びのある女性ボーカル。
ED曲「桜唄」(RYTHEM):少々奄美コブシ入った女声バラード
内容:少年剣士が宝石を集めて魔王を倒す、異世界(協力:オーストラリア大使館ということで、オーストラリア風の大陸)ファンタジィです。ナレーションを多用して設定説明を行ったおかげで、第1話で基本設定、旅立ち、最初のピンチまで進む、テンポの良い展開でした。同じOLM制作の「うたわれるもの」を連想させる、軍勢描写のCGの完成度といい、ベタながら、安っぽくない印象です。○△

3.「京四郎と永遠の空」(TVK 土曜深夜)
OP曲「クロス*ハート」(CooRie):弱々しくも疾走感のある歌声はいつもの。
ED曲「微睡みの楽園」(ceui):弦入り女性バラード
内容:学園都市を舞台に、夢見がち少女視点で綴られる、ロボ召還少女によるバトルもの。バトル中、白馬に乗って登場する美青年の唐突さといい、望月久代の舌足らず声といい、いかにも介錯原作のアニメらしいです。話の整合性を完全無視して、B級美少女アニメに徹するありようが、妙に憎めません。△

4.「神様家族」(TVK 土曜深夜)
OP曲「Brand New Morning」(水橋舞):打込バック女性ボーカルながら、長めのギターソロが印象的。
ED曲「図書館では教えてくれない、天使の秘密」(水橋舞、工藤真由、岩城文夏)ノリの良い合唱ソング。
内容:神様の一家を舞台に、幼なじみと転校生との三角関係ラブコメ。ハイテンポながら、登場人物が善人ばかりなのと「神」の能力に制限がないため、話が予定調和気味です。△×

5.「世界名作劇場レ・ミゼラブル」(BS-Fuji 日曜夜)
OP曲「風の向こう」(斉藤由貴)歌のおねぇさん的美声バラード
ED曲「ma maman」(斉藤由貴)歌のおねぇさん的美声+バイオリン
内容:風景画ちっくな異常に綺麗な背景は凄いです。ただ、「提供ハウス食品」というクレジット自体がネタのような「世界名作劇場」らしい、少女の苦難が延々と続きそうな展開ですので、わたしにはまぶしすぎます。△

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Seu Jorge「Live At Montreux 2005」

「ワールド・ミュージック」に限定されない聴きやすさ

映画「シティ・オブ・ブラジル」にも出演していた、Seu JorgeのライブCD。新宿タワーレコード5Fワールド・ミュージック階にて、かかっていたのを聴いて、購入。

ブラジル色は強くなく、最後の「Percussion Solo」がサンバっぽいのと、ボサノバ風まったり曲「Fiori De La Citta」(邦題は「都会の花」?)ぐらい。アコースティック・ギター中心の弾き語り(+ベース、パーカッション)で、ワールド・ミュージックという括りでなくとも、普通のフォークとして聴きやすい演奏です。

演奏が聴きやすいせいか、本人の粘っこい感じの歌が印象に残ります。「Una Mujer」は、ELP四部作収録作「C'est la vie」を思わせる、甘甘なバラードですけれど、腹にもたれる感が無いのは声質のおかげでしょうか(Greg Lakeの歌も好きですが)。ともあれ、飽きずに何度も聴くことができる音楽です。

落ち着いた感じの曲ばかりではなく、アップテンポな曲も結構有ります。中でも、アコースティック演奏のファンク「Te Queria」「Tive Razao」の、コーラスと共に淡々と盛り上げるノリの良さが、特に良かったです。

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三崎亜記「となり町戦争」(集英社文庫)

骨格だけの村上春樹

日常社会に「戦争」の語句をはめ込む話。ですが、実務はコンサルタント会社に外注している、という設定で、実務担当者が登場しませんし、「戦争」描写が、召集令状の文面を区役所の書類っぽくするぐらいですので、異常設定描写に説得力はありません。

また、筒井康隆「東海道戦争」のような、中間小説に異常を差し込む疑似イベント物では、異常設定に、主人公がパニクったり、状況から脱出しようとしたりすることが、物語を動かします。が、本作の主人公は、設定を葛藤無く受容してしまいますし、第4章「査察」に少々サスペンスがありますが、全編、主人公は、誰かの指示に従っているだけなので、物語は始まらないままです。

異常設定描写に、説得力がなく、主人公も葛藤しないのは、作者の意図が、異常設定自体にないからで、「現実の戦争が見えていない(本書47頁)」、つまり、「現実にリアリティを感じることができない」、という不条理小説的な状況を作ることができるものであれば、「戦争」でなくとも、何でも良かったのでしょう。

まぁ、葛藤無く受け身な「僕」、不条理な設定、ちょっと距離を感じるけれど親切な彼女、という道具立ては、典型的な村上春樹パターンなので、「戦争」は、彼女とのパン屋襲撃みたいなもの、と思えば、しっくり来ますが。

「戦争を感じ取れない」(本書52頁)」、「僕にとってのリアル(本書181頁)」なのは、彼女とのSexというオチ、で締めるのも、村上春樹ノリですねぇ、という感じですが、村上春樹や、伊坂幸太郎にあるような、気取った(魅力的?な)台詞みたいなものがありませんので、その種の小説の骨格だけを観たような読後感でした。

文庫版書き下ろしの「別章」は、本編登場人物の恋人を視点に、他人にとっての「現実」にリアリティを感じることができない、という本編テーマの再話です。

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