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ジョン・スコルジー「老人と宇宙」(ハヤカワ文庫SF)

バランス感覚の良さ

入隊、訓練所のしごき、新兵時代、軍功立てて出世という、「のらくろ」とかを連想させるような、古典的な兵隊もののSF版。ミリタリーSFに属するのでしょうが、SF兵器描写があっさりしているので、あまり、ミリタリーSFという感じはしません。脳天気な、和平主義者の新兵が嘲笑されるあたりは、いかにも軍隊ものっぽいですが、理念自体へのフォローが直後に入ったりして、バランスを取っているので、思想臭さは薄まっています。

敵宇宙人をなぎ倒す、ともすれば安直さの漂う後半の展開を、頻尿ネタ等、老人っぷりを自嘲的に語る序盤で、主人公に親しみを持たせて、シラケさせないのも、作者のバランス感覚の良さを感じます。

読みやすい訳文のせいもあって、あっという間に読むことが出来ました。

邦題に付されたガンダム的な宇宙そらというルビは、作品後半での、強化人間とのラブ・ストーリィに引っかけたネタとして許容範囲。みんな、同じ人間だっ!と盛り上がるところには、SFならでは、の叙情も有りますし。

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» #11「老人と宇宙」 [SF少年は超光速の夢を見るか?]
老人と宇宙 ジョン・スコルジー  その軍隊には75歳以上にならないと入隊を許されない。とうに妻を失い、75歳の誕生日を迎えた主人公ジョン・ペリーは、苛烈極まる宇宙戦争に身を投じるが…。なぜ老人ばかりが集められるのか。そして敵は一体何者なのか。タイトルに似ぬハードな戦争SFだ。  タイトルにひかれて購入したが、思っていたような穏やかな宇宙という感じではなかった。それどころかアメリカ的な激しさがある。老人なのに、軍隊生活のなかで主人公が成長していく青春物語みたいになっているのは面白い。「お... [Read More]

Tracked on 2007.03.16 at 12:10 PM

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