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アレステア・レナルズ「カズムシティ」(ハヤカワ文庫SF)

B級SF二本立て

短編集が面白かったので、1100頁という、分厚さに怯えてスルーしていた、第2長編に挑戦。
「最初に書いたバージョンは半分の長さだったが、編集者から、短くて売りにくいから倍の長さにしてくれと言われて書き上げた」という解説には、驚きました。が、小説自体が間延びしている訳ではなく、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」的な、2本立て構成として「倍の長さ」になっているだけで、一本一本は、テンポの良い娯楽SFになっています。

本筋は、軌道エレベータの衝突事故から始まって、小ネタを詰め込んだようなSFハードボイルド。美女と出会って異世界巡り、設定紹介を終えたら次の世界へといった展開は、ワンパターンですが、設定読んでいるだけでも楽しいです。サブストーリーのほうは、宇宙移民船内を舞台にした、ヒネクレ少年出世もののですが、とんとん拍子で、停滞無く進むこともあり、本筋/サブ切替えが多くても、苦になりません。

第1長編同様、正義感のon/offが唐突な主人公の行動や、ラスト・バトルの勝ち方には、かなり安っぽいのですが、「倫理的な問題は、殺す奴を殺してから考える」(1093頁)なんて、カッコ付けがあったりして、安っぽさも、良い意味で、ジャンルの類型的なB級SF、といった丁になっていて、妙に憎めない作品なのでした。

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