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吉村 萬壱「バースト・ゾーン-爆裂地区-」(ハヤカワ文庫SF)

エログロ日本文学。

3部構成で、第1部はディストピアもの、第2部以降はロードムービー的な話。背景には軍が支配する国家があるのですが、組織・社会の描写は無く、SF的な設定説明も、殆どありません。閉塞した状況下での個々人の描写に終始していて、不条理小説っぽいといいますか、象徴性の高いノリ。

エロ・グロ描写は多いものの、スプラッタやポルノのように、それ自体の楽しさはなく、田中啓文「罪火大戦ジャン・ゴーレ」のような、描写の極端さを笑うギャグでもなく。エロ・グロ描写は、閉塞感の中、自暴自棄になった個々人の象徴として、機能しています。

象徴臭さが鼻につき、お話としては楽しめませんでした。

ただ、終盤の巨大化とか、閉塞感の描写自体には、「同時代ゲーム」を連想させるような、土俗を賛美する陰鬱日本文学っぽい圧迫感がありました。

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