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映画「狂気の海」

30分という短い尺故、テンションが高

日本首相と、FBIと、ムー大陸の末裔が、三つ巴の争いをする話。

チープな画面で、破天荒な展開と抽象的な幻想シーンを紡ぐ作風は、いかにも名作「発狂する唇」の脚本家だった高橋洋監督らしい造りの映画です。上映時間約30分という短い尺の中、2転3転するハイスピードな展開のためか、FBI役の長宗我部陽子の硬い表情のせいか、テンションも高く、(チープな画面特有の)エロ本コラージュ的なドギツいイメージに繋がっています。正直、イメージも間延びしてしまったような「ソドムの市」より、ずっと好印象でした。

本作では、日本国憲法9条が引用されたりもしますが、9条、反9条といった政治性には無縁な感じで、監督お得意の強引なテロップねたの一つとして、消費されるだけっていう現代性も、観やすくて、好印象の一因です。

ただ、わたしが観た日の上映では、この9条ネタにからめた、監督と、辻真先切通理作とのトークショーがありまして、その前振りとして、本作上映後に同様の9条ネタが含まれた、白黒版サイボーグ009中の一編、「太平洋の亡霊」の上映がありました。「太平洋の亡霊」のほうは、60年代(という、自らの立脚点を疑ったり、韜晦したりするのとは無縁な時代の)作品ならでは~なハイテンションで、主張を絶叫する作品だったので、どうしたって主張への懐疑的スタンスが滲み出る現代の作品は、対比されると弱いです。続けて観たこともあって、本作のドギツさは、かなり、薄まってしまいました。

トークショー自体は、サイボーグ009制作当時のエピソードや、戦中体験、近作までを、縦横無尽に語る辻真先冲方丁「灰羽連盟」の話まで出るのには驚き。)の元気さが面白かったですけれど、正直、本作を見る環境としては、ちょっと、不幸なものでした。

2008.07.05 渋谷ユーロスペースにて鑑賞。

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