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フランク・シェッツィング「深海のYrr」(ハヤカワ文庫NV)

古臭い海洋動物パニック

メタン・ハイドレード開発の話を入れて今風にしているものの、話の盛り上げどころは、シャチが人を喰いまくる、古臭い海洋動物パニックもの。善良な科学者と、権力志向の軍人たちとの対立、っていう図式も、あんまりな古さ。現代の話なのに、「静かに流れる西海岸ミュージック」(中巻426頁)が、「ウェッサィ~」なギャングスタ・ラップじゃ無く、70年代ロックのことっていうのが、象徴的で、読後感は良くありませんでした。

「アビス」とか、映画名の引用がやたら多く、それも、藤崎慎吾作品での一発ネタ的使い方ではなくて、終盤のファーストコンタクト展開とかを、説明するためっていう、あざとさも、読後感を悪くしています。

小説の長さ的に、説明をする余裕が無いなら、ベタや記号の多用も納得出来ますが、本作は、(動物が襲ってきた、世界が危ない、助かった、だけで終わるシンプルな展開なのに)全3冊という、冗長なつくり。主人公2人制なのですが、そのうち一人、ワイン好きで女にモテる海洋学者ヨハンソンが、作者の考えた設定を(お前どうやって気づいたんだよ、って感じで)喋るパートが多くて、ひたすら退屈。ドイツでは長い小説が好まれる、という訳者あとがき、に思わず納得してしまいました。

ただ、暗い過去のせいで環境保護バカになったグレイウォルフは、サブキャラ内で、唯一、ドラマがあり、もう一人の主人公、アナワクと過去を見つめ合うパートは、泣ける展開が良かったです。

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