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映画「グローバルメタル」

「海外ネットワーク」のエンディングと同じ乗り
英米以外でのヘヴィメタル受容に関するドキュメンタリ。

ブラジル、インド、中国、インドネシア、イラン、イスラエル(あと、日本も)等の場合について、各国15分位で説明する構成です。

日本以外のどの国の場合も、独裁者や戦争などの社会不安・抑圧に対する自由の象徴としての音楽(ヘヴィメタル)という明確な図式が、繰り返し説明されるので、解りやすい内容の映画です。紹介されたどの国のヘヴィ・メタルも、ツインリード的分厚いギターリフに、リズム感ゼロのドラムがドスドスいう、同じような音。なので、どの国でも事情が同じってことが音から伝わってくるという、ヘヴィ・メタルのスタイル硬直性を逆手に取ったナイス・アイデアでした(監督はアイアンメイデンが最も好き、とのことで、プログレ系テク自慢、ミクスチャ系、LAメタル等の傍流を、あえて無視している所為でもありましょうが)。

受容がテーマなので、インタビュー対象は、送り手のミュージシャンよりも、受け手側にあたるグッズ屋や、ファンが中心です。各国ロック・フェスでの取材を各所に交えているため、ロック・フェスの祝祭感にあてられて、ポジティブ度過剰になってしまっているということも、あるのですが、インタビューイ達は、非常にポジティブ。目がキラキラしているヘヴィ・メタルの各国ファンを見ていると、ヘヴィメタル界で、(年齢無関係に)ファンを「キッズ」と呼ぶことを思い出し、子供へのインタビューは見ていて和むなぁ、と思ってしまいました。

例えば、NHKに「海外ネットワーク」という、海外状況紹介番組があります。番組本編は、酷い状況を展望無く説明して終わりみたいな、暗めの展開が多いのですけれど、エンディングは、各国の子供が、目をキラキラさせながら将来の夢を語るインタビュー形式で、日曜夕方の一家団欒的世界観に強引に戻させるような、和みっぷりなのです。

本作でのヘヴィ・メタル・キッズへのインタビューも、「海外ネットワーク」エンディングと同じノリ。正直、TVドキュメンタリー感は強く、映画として観るようなものかなぁ、という気もしますが、観ていると、非常に、和むのは確かです。

ただ、唯一、日本パートだけは、和む、ことは出来ませんでした。サラリーマンのディープ・パープル熱唱とか、ヴィジュアル系の原宿・秋葉原コスプレとかいった、ヘビメタ(この略語も蔑称的ですけど)の奇妙な土着化を、珍獣見物するような感じになっていて、(日本人としては、)見ていると痛々しくなるノリなのでした。

勿論、日本の場合、他国のように(独裁者とか)解りやすい敵がいる抑圧構造では無い以上、どうしても屈折が入ってしまい、それが、奇妙な土着化を生んでいるのだとは思いますが、映画の中では、かなり浮いてしまっています。もっとも、他国パートの目がキラキラなインタビューばかりだと、観ていて疲れるというのも確かので、箸休め的存在にはなっていますけれど。(2008.09.02 てにをは等一部改稿。)

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