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映画「ウォンテッド」


漫画

映画「アキレスと亀」の口直し、として観たので、評価は甘目。

駄目青年が、謎美女に連れられ、特訓・勇者化するストーリーも、画面振りや弾丸スローモーションの多用も、マトリックス1ノリの荒唐無稽映画。

目が覚めると…等無理矢理な場面転換が多かったり、「Noooooo!」って感じの台詞とか、漫画的な映画で、エンディング・クレジットに、トゥーム・レイダーのアメコミを出していたTOPCOWの名があったのに、納得。謎美女役は、映画版トゥーム・レイダー・シリーズののアンジェリーナ・ジョリーだったので、妙に懐かしく。

列車シーンとか、無関係な死人が沢山出てそうな描写を、大した理由無く行うのは好みではないですが、終盤、「意外な展開」のテンプレート台詞や、両手突き出しての銃撃シーン(動きに滑らかさが無く、アメリカンなガンカタといった感じ?)など、漫画的チープさが笑える造りだったのは、良かったです。

2008.09.27 新宿ピカデリーにて鑑賞

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映画「アキレスと亀」

北野絵画までは付き合えない
画家の一生を描いた北野武映画。

監督作「HANA-BI」あたりからでしょうか、映画中に自作の絵~グラデーションが無く、目に痛い配色で、抽象性の高そうな/お芸術な絵。基本的に、死んで終わり、な北野映画における、死=現実外の、象徴?~を登場させていましたが、本作は、画家の話なこともあって、自作絵のオンパレード。

で、その自作絵自体の素晴らしさが解らない(酷評された絵が、その後、別の場所に飾られている=売れているというシーンがあるので、実は素晴らしい絵ということかもしれませんが、絵自体を見ても、素晴らしいとは思えないのでした。まぁ、美少女デフォルメ絵ばかり見ている当方の事情のせいでしょうが。ウォーホ-ルリキテンスタインのもじりがあった、ぐらいしか解らなかったし>本作中の絵。)と、説明描写をしてくれない北野映画の場合、絵を描く主人公の努力が、愚行か、栄光への準備かも解りません。なので、絵が分からないと、映画自体の理解も辛いのでした。単に、自作絵を見せたいだけなんじゃないか、と邪推したくなります。

序盤の子供時代から、絵以外に興味が無く社会性ゼロな上に、絵が好きな理由も不明な主人公を、感情表現皆無の北野映画スタイルで描くので、中盤の青年期までは、キャラクター性皆無。単に絵が描きたい子供時代から、絵を売りたい青年期の話に変わった後も、「売れない画家」ではあるものの、仕事にも、女(肌を青白くした麻生久美子は、キタノ・ブルー風?で、ちょっと面白かったです)にも困らないので、同情も出来ず。他人を絵を描くために利用することはあっても、嫌われても去られてもどうでも良い、という主人公には、嫌悪感しか持てませんでした。

共感できない主人公の棒立ち描写に、叙情ピアノばかりの音楽(アニメ音楽で知られる梶浦由記を、久石譲の代用品扱いしているような無駄遣い感が…)で、お涙頂戴的な説明臭さを醸し出していて、中盤までは、見るのが苦痛な映画でした。

終盤、中年期以降の主人公を演じるビートたけし登場後、色んな方法で絵を描く話は、日曜昼に、たけし軍団とやっていたバラエティを思わせる悪ノリ振りで、まぁまぁ笑えます。ただ、屈強な、たけし軍団員なら兎も角、妻役の樋口可南子を虐める映像は、(お芝居とはいえ)見ていて気持ちの良いものではありませんし、なんの理由もなく戻ってきた妻に救われるラストは、話を纏めるためのご都合主義に見えたし、最後まで違和感のある映画でした。

北野映画は「3-4×10月」の頃から「監督・ばんざい!」まで、劇場でも、結構見てきたつもりですが、北野絵画にまで、付き合う気は無いので、アクション映画以外なら、もう結構かな。

2008.03.27 テアトル新宿にて鑑賞。

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「秋だ、一番!ゆかりちゃん祭り!!」"あなたの好きな曲"アンケート

好きな曲を選ぶ楽しさ

10月の田村ゆかりコンサート(?)「ゆかりちゃん祭り」用に公式サイトで行っている企画で、キャラクターソング等を除いた、田村ゆかり本人名義のシングルやアルバム曲で好きな曲を3曲、理由付きで答えるというもの。

こういうベストを選んだりするのは好きなので投票。

本人名義曲といえるか微妙な「Trust me,trust you」(コレクションアルバムのYukari Versionもありますが…)を除いて、好きな曲を、タイプ別(跳び曲/エレ・ポップ/バラード/他、区別は適当。)に粗選り。こういう時に、iTunesで、簡単にアーティスト別に集めて聴き直せるのが、電子音源の便利なところです。

以下、聴き直してみての、粗選り結果。

1stAlbum収録曲
「A Day Of Little Girl~姫とウサギとおしゃべりこねこ~」(他)、「青空にあいたい」(エレポップ)

2ndAlbum収録曲
「あなただけに - It's only my Love - 」(他)、「さよならをおしえて」(エレポップ)、「Love parade」(エレポップ)、「うたかた」(バラード)、「つぼみのままで」(他)

3rdAlbum収録曲
「Primary Tale」(他)、「Lovely Magic」(エレポップ)、「大好きと涙」(跳)、「フルーツ」(バラード)、「きらら時間旅行」(他)、「眠れぬ夜につかまえて」(エレポップ)、「Honey Moon」(跳)

4thAlbum収録曲
「Spring fever」(跳)、「Fallin’into you」(エレポップ)、「薔薇のロマンセ 月のセレーネ」(他)、「Little Wish~first step~」(エレポップ)

5htAlbum収録曲
「デイジー・ブルー」(エレポップ)、「エアシューター」(エレポップ)、「宵待ちの花」(バラード)、「Amazing Kiss」(他)、「fancy baby doll」(跳)

BestAlbum収録曲
「Yours Ever」(バラード)

6thAlbum収録曲
「上弦の月」(バラード)、「Beautiful Amulet」(他)

album未収録のSingle収録曲
「わがままな I LOVE YOU」(3rdのc/w 他)、「お散歩しようよ」(5thのc/w 他)「Cutie Cutie」9thのc/w 跳)、「天使のお仕事」10thのc/w エレポップ)、「恋のチカラ」11thのc/w バラード)、「プレゼント」(同 他)、「Melody」12thのc/w 他)、「Mon Cheri」会場限定盤 エレポップ)、「バンビーノ・バンビーナ」14th 他)

粗選っても30曲以上あり、(「眠れぬ夜につかまえて」「Cutie ♥ Cutie」「Melody」あたりとの間で、)結構迷いましたが、エレポップ、バラード、跳び曲+その他の各タイプから1曲ずつ、歌詞が好きな曲を選びました(別の日に選べば別の結果になりそうですが)。

「デイジー・ブルー」「恋のチカラ」「わがままな I LOVE YOU」を。

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遠藤淑子フェア

快作「狼には気をつけて」他

同時(2008年9月)発売の4冊。文庫版も初読なので、嬉しい限り。

4冊の内訳は、「中世っぽい設定」(81頁)のファンタジィ世界を、皮肉ったつっこみ台詞が楽しい異世界ファンタジー「午後のお茶は妖精の国で」(Feelコミックス)、旧作「グッピー」を連想させる無表情な善人キャラのホストもの「なごみクラブ 1」(バンブーコミック)、勝ち気な少女社長と、お人好しの探偵という、作者の定番的なキャラ配置の快作「狼には気をつけて 1&2」 (白泉社文庫)。

4冊とも、いつもの、気の利いた台詞が心地よい人情噺(近作は、絵が雑になって、話もやや薄味気味ですが…)。「狼には気をつけて」2話での、ロマンチックな終わり方が、特に印象に残りました。書き下ろしの後日談といい、この作者にしては、少女マンガらしい、乙女チックさのある作品です。

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映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」

メタ「ウルトラ」

かつて、昭和「ウルトラマン」本放送時=少年時代の夢を忘れ、大人になっていたダイゴ達が、夢と共に、ウルトラマンだったパラレル・ワールドの記憶を取り戻し、変身する、という、ややメタっぽい、お話。

パラレル・ワールドのウルトラ兄弟がやってくるという設定は、ULTRASEVEN Xと同じ。キャラクタを流用しつつ、旧作設定との辻褄合わせを避けるのに、便利ですね。パラレル・ワールドのウルトラという説明のために、メタ「ウルトラ」的要素を持つメビウスを、導入に使っています。メタをベタに居直ってしまっているのは、どうか、という気もしましたが、劇場版というお祭りなら、有りかな。メビウスの「帰りマン兄さん」ネタは、思わず笑いましたし。

お話が、「諦めずに頑張ることの素晴らしさ」を訴えることは、(子供の方を向いているべき)ウルトラらしい、と思う反面、ダイゴアスカ我夢3人それぞれの、過去の挫折と立ち直りを、97分の尺で説明しているために、他の部分は、相当、駆け足になってしまっています。観ている最中は、強引過ぎるハッピーエンドのほうにあっけにとられていたので、あまり気になりませんでしたけど、戦いの原因である、影法師と赤い靴履いてた女の子の話は、かなり説明不足。一つのお話として成立していない気が(DVDでの補完を、前提としているのかも)。

戦闘シーンは、右側にウルトラを、左側に怪獣を配置する、という、TVウルトラで見慣れた構図が中心で観やすく。ラストの8首ドラゴン風巨大怪獣ギガキマイラの周りを、CGウルトラマンが飛び回る映像も、視点をあまり動かさない造りで、主観視点映像が苦手な自分には、嬉しかったです。強敵扱いのパンドンは兎も角、ゲスラという意表をつくセレクトも、素直に「懐かしい」と思えて好印象でした。

ウルトラをメタに観ることを許容できるなら、劇場版らしいお祭り感は楽しめる、といったところです。

2008.09.13 ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘にて鑑賞。

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サケロック「会社員と今の私の慰安旅行」

色物感も失わず

ライブ。

メンバーによる前説の後に登場したのは、アーティスト格的に、前座とは言いにくい(?)、清水ミチコ

内容は、ピアノ弾き語りしつつの、声真似でした。井上陽水ネタとか、物真似としては、ベタだなぁという気もしましたが、通る声なので、カバー歌として十分聴けるレベルです。後方からは、表情が見え無かったのが残念なところ。

サケロックは、伊藤大地のドラムの力強さが目立ちました。特に、アンコールでの、ハマケンによる即興歌のメロディに、逐一追随していくドラム・ソロは、圧巻です。

他は、客演の野村卓史による、効果音っぽいオルガンや、星野源のマリンバが可愛らしい音を出していた、「会社員」が、好印象。ハマケンのトロンボーンも、以前より安定感を増していました。

あと、アンコール(3度あった)で登場した、メンバー楽器取り替え(カシュー&ナッツ名義)の単調な伴奏は、手慣れていない感が、80年代初頭パンク・ニューウェーブ的味わいを出していて、面白かったです。相変わらずの、じゃれあいのようなMCといい、単に、音楽的な技術向上するばかりでなく、バラエティ・色物感も失わずにいることで、気軽に聴ける音楽であり続けたい、というメンバーの意志かも。

2008.09.22 赤坂ブリッツにて、鑑賞。

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アレステア・レナルズ「量子真空」 (ハヤカワ文庫)

いつものレナルズ

設定的には、「啓示空間」を引きずっていますが、主人公は、「火星の長城」のネビル・クラバインなので、物語的には、「火星の長城」の続きで、こっちの方が好きなので、ラッキー。(「啓示空間」の主人公、シルベステに会いに行くところで、本作は終わっているので、「啓示空間」の続きは、次巻以降のよう。)

唐突に、宇宙海賊が現れて、ガトリング砲を積んだ宇宙船同士の追いかけっこをしたりして、スペオペ色が強い中、インヒビターの武器描写などで、ハードSFっぽい描写を混ぜる、レナルズ風は健在です。

ファザコン宇宙船乗りのアントワネット・バックス(お嬢呼ばわりされて怒るベタ描写が嬉しい)や、人類を憎みつつ味方してくれるハイパー豚のスコーピオなど、脇役はキャラが明快で、主人公がグダグダしているアニメ風キャラ構成なのも、いつものレナルズ、といった感じ。(本の分厚さも相変わらず。文庫用糊を新しくしてまで、分厚くしなくても…)

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CUBISMO GRAFICO FIVE「PLEASURES」

「渋谷系」ノリに留まらない、客演者の歌に耳が向かう
レゲエ・ラテン風カバー集。

レゲエっぽいカッティングギターや、スティール・パンも大量に採り入れた南国風で、アップテンポの曲も多いのに、汗臭さは皆無の綺麗綺麗なアレンジ。ひたすら、気持ち良いメロデイを、耳障りの良い裏声で歌うRiddim Saunterと同じ、Niwレーベル所属というのが腑に落ちる、快楽主義的な感じ、というか、「渋谷系」ノリ。

例えば、自作曲のメロディや選曲センスを目立たせる為に、他はあっさり目に、という意図とかを感じ取れれば、綺麗なだけの纏め方も理解出来るのですが、本作の場合、ローラ・ニーロ(曲)&エディ・リーダー(唄)という、キャロル・キング系ソウルフルな女性弾き語り同士の豪華組み合わせ「スウィート・ブラインドネス」(ズル過ぎる豪華さ)をはじめとして、ベタな大名曲群カバー集。なので、綺麗なだけにする意図が見えず、無難に綺麗に纏めただけ、に思えてしまいました。妙に長い、曲後半のインストパートとか、DJ的実用性からは意味ありそうですけど、純粋に聴くだけリスナーなわたしには、破綻の無い綺麗さばかりが強調されてしまって、ちょっと物足りないです。

むしろ、ユア・ソング・イズ・グッドが客演した「JAMAICA JUMP UP」での、モーリスの低音ギター~ショーティの軽快なトロンボーン~JxJxの日本語混じりの歌、というソロ・パートのリレーでの楽しげな様子とか、破綻に繋がりそうな、客演者の人間臭い演奏のほうが魅力的です。

サケロック「インストバンドの歌」を思い起こさせる客演ハナレグミの、訥々とした歌が印象的な「雨に濡れても」や、タケカワユキヒデ独特のイントネーションを意識しているLOW IQ 01客演の「ビューティフルネーム」といった曲で、歌い手の人間味を強く感じ取ることが出来、耳に残りました。まぁ、原曲が好きという点もありますけれど。

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キース・エマーソン・バンド・フィーチャリング・マーク・ボニーラ「〃」

「今」のキース・エマーソンの作品としては、理想的

キース・エマーソンの新作。

EL&Pは、特別な思い入れのある5曲に入るくらい、大好きなのですが、「ラブ・ビーチ」で使用されているような、ふわふわしたシンセには、どうしても音の古さを感じてしまって、「3」「ブラックムーン」は、買ったものの、ろくに聴いていませんでしたし、「ゴジラFINALWARS」の曲には、かなり寂しいものを感じていました。本作は、ミュージック・マガジン誌で、褒めていたのが気になって、衝動的に購入。

本作では、まず、「ファースト・プレゼンス」「マイルズ・アウェイ・パート2」「フィナーレ」といった曲で、オルガンを多用していることが、特徴的です。オルガンの音は、シンセのような時代性を持っていない分、古びないので、今の耳で聴いても、時代錯誤感(で聴いていて辛くなること)が有りません。また、組曲形式で個々の曲が1~2分程度な為、過去作品で聴いたような、決めフレーズを弾きまくって終わり、という展開が連発しているので、どこか、過去のキース・エマーソンをサンプリングしたかのような、現代的な痛快さがあります。

曲が短いと、聴きやすいこともあり、「今、2008年現在」のキース・エマーソンの作品としては、理想的な作品では?という気もしてくる、傑作です。(もっとも、「マルシュ・トレイン」での、ホルスト「木星」の引用はどうよ、って気も…)

バンド名&アルバム名に綴られた、マーク・ボニーラは、叙情的な「ザ・パーティング」等で、エコーがかった甘い歌声を聴かせる、グレッグ・レイクジョン・ウェットン的立ち位置です。ギタリストでもあるのですが、ギターは、キースのキーボードが休んでいるときに、主旋律を弾くぐらいなので、ライブの時に感じた、ギターとキーボードとが競合してしまって煩くなる問題から、うまく逃れられているのも、好印象です。

来日公演、どうしようかなぁ…

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大和田 秀樹「ムダヅモ無き改革」(近代麻雀コミックス)

「痛快麻雀アクション」キャッチコピーも、納得の出来

イカサマや馬鹿ヅキで役満を上がる、所謂麻雀漫画。

「実在の人物とはあまり関係ありません(本作目次)」とのことですが、登場人物は内外の政治家キャラ。主人公は、小泉純一郎で、解説者役の麻生太郎や、石破茂ッぽいキャラなどもいたりして、自民党総裁選が話題の2008年9月は、タイムリーな刊行時期となりました。

基本的に短編なので、政治家キャラの出オチっぽい面があるのは否めませんけれど、「この老いぼれの命一つで世界平和が買えるのなら(本作第3話)」等、ハッタリの効いた台詞や、墨=血描写の腹切りシーンなど、ちょっと「アストロ球団」を思い出したりして、「痛快麻雀アクション」というキャッチコピー(本作帯)も、納得の出来です。

「次はモスクワで(本作第7話)」とのことなので、続きが楽しみ。

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ジョージ・R・R・マーティン「乱鴉の饗宴(下)―氷と炎の歌 4」(早川書房)

陰惨な世界なのは解ったから、・・・次巻まだ?

上巻に引き続き、戦争継続中。下巻にも、ジョンティリオンといった理性派キャラの登場は無く、逆徒鉄諸島サーセイと、手当たり次第、虐殺&レイプする勢力ばかりが目立ち、陰惨な読後感でした。

世界全体を見通す(意味づける)キャラが存在せず、個々のキャラが、それぞれの立場で殺し合いを続けているだけのパートを、ぶつ切りに見る、という構造の本作では、意味の見えない殺し合い描写を続けて観ることになってしまい、読んでいて、本作の世界が、陰惨な世界だっていうのは、もう、十分解ったから、・・・という気分になってしまいました(ローカス賞を逸したのにも納得)。

ラストを盛り上げる、(何も考えずに、やりたい放題だった)サーセイ没落パートも、ジョフリーを失った経緯を思えば、周りを全く信用出来ない人間的な愚かさ故の没落といえるので、しっぺ返し感を痛快がることも出来ず。

前作でのジョンとイグリッテを思わせる、サムジリの交流や、辛抱強く生きてきたことが、ようやく少し報われそうなサンサのパートが、やや和めて、良かったです。ブライエニーは、下巻でも勇敢に戦っていますが、報われないところも、Fate/Zeroセイバーみたい、と思ったり。

そんな本作を象徴するのは、最終章「そのころ、<壁>の向こうでは・・・・・・」。エピローグ的に、ファンタジィらしい異世界描写サービスシーンがあるものと、期待していたら、作者言い訳コーナー(本作未登場の人気キャラは、次巻に出るので宜しく)だったので、がっかり。(落胆は、早く次巻を刊行して欲しい気持ちの裏返しでもありますが。)

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「SFマガジン2008年10月号 <<新しい太陽の書>>読本/野田昌宏追悼特集」

小畑健と宇宙軍大元帥のスプリット表紙は、世界が異なり過ぎ。

ジーン・ウルフ「地図」「菜の花の帝国」☆0/0
物語・キャラクタが固定されていないと、不思議な話過ぎて、楽しめず。

連載 山本弘「地球移動作戦」☆0
SF+ラノベというスタイルは、意図的なものとは思いますけど、遠未来SFでのアイマスMADねたには、不自然さが否めず。

連載 神林長平「アンブロークンアロー」☆1
不条理世界でも、戦争&雪風ラブ、という原点に戻れる主人公の心情は、決して揺るがないので、読みやすいです。

野田昌宏「レモン月夜の宇宙船」☆2
再録。「ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー」的、夢のあるロケット話。作者の稚気が魅力だったことを再確認。

小説以外では、ジーン・ウルフ「川獺の城」☆1が、<<新しい太陽の書>>がらみのエッセイ。執筆契約前の編集者との交換書簡は珍しく、内幕もの的面白さがありました。

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カーラ・ブルーニ「何もなかったかのように コム・シ・ドゥ・リヤン・ネテ」

前作同様のポップさ

3rd。物議を醸したという、歌詞の訳が読みたかったので、国内盤を購入。

仏大統領と結婚という状況の変化の中(洞爺湖サミットを袖にして新譜プロモした、というエピソードは、ワガママお姫さま感が素晴らしいですねぇ。)作った新作ながら、内容的には、前作前々作、と変わらない印象。気怠げながら力強い歌と、多彩なアレンジの伴奏が奏でる、ポップな鼻歌メロディが、耳に残ります。

本作中では、物悲しいメロディに被るハーモニカが印象的な「さよならマリン」、ゆったりしたテンポのバラード「グラン・アムール」、冒頭のフルートから軽快な「タ・ティエンヌ」といった曲が、特に良かったです。

問題となった歌詞「危険な誘惑」は、ただの「恋はドラッグ」的比喩でした。ロック界のお約束みたいな比喩に目くじら立てるのって、只の揚げ足取り?…、と思ったら、解説によると、ヘロインの産地国表示を問題視された、とのこと。ですが、産地表示だって、韻踏む為のフレーズでしかないような。

国名ネタということで、Theピーズの名曲「中国たばこ」を、ちょっと思い出したり。

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東京ジャズ2008ミーツブルーノート東京

岡村靖幸ファンの気持ちが解るといったら言い過ぎか。

ソウル系のライブ、3組。

一番手は、ロベン・フォード
綺麗なギターソロ中心のブルース・ロック。
妙に手数の多い(コージー・パウエル的?)なドラムだったせいか、リズム軽視のブルース・ギターの位置と相まって、締まりのない音でした(ブルースが苦手ということもありますが)。中では、ポップなメロディの「レイリーBキング」が、ケブ・モをちょっと連想する感じで、印象に残りました。

2番手は、サム・ムーア
「ピーターガンのテーマ」で始まり、「お前を離さない」で観客立たせて盛り上げる、映画「ブルース・ブラザース」的解りやすい展開のソウルショー。木製のオルガンやホーン隊が短く(冗長なソロは無し)、しかし効果的に使われていて、バンドとして、きっちり、纏まっている感じ。サム・ムーア本人も、足取りに微妙な瞬間があったものの、声は、オフ・マイクの時も含めて、良く出ていました。「ソウル・マン」で、盛大に締め。

3番手は、目当ての、スライ & ザ・ファミリー・ストーン
歌はへろへろ(拡声器で音量を上げることはできても、歌詞を思い出すのが、精一杯のよう)。椅子の上でぐるぐる回っているだけの時も多し。岡村ちゃんのファンも、こんな気持ちなのかなぁ、と不遜なことを考えたりしていました。

ただ、スライの歌声、ってことは解る感じ(登場一曲目で、ボコーダを使われたときは不安でしたが、他の曲では、普通に歌っていました。)。

しかし、へろへろの歌とはいえ、「ファミリーアフェア」「スタンド」等ポップな(故に、歌唱・演奏技術の如何に寄らず、素晴らしい)大名曲群を連発すれば、成り立ってしまうのでした。その後、スライ本人は、「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」の途中で抜け出し、アンコールにも出ず。スライ不在になった後のほうが、リサ・ストーンのゴスペル系女性ボーカルを中心として、纏まった演奏を見せるバンドとなっていることに苦笑。

ドタキャンとか、無かったですし、予想よりは、やや幸せな、かな。

2008.08.31 日比谷、国際フォーラムホールAにて鑑賞。

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田村ゆかり「バンビーノバンビーナ」

秋の新曲
3曲入りシングル。

表題曲は、軽やかなストリングス伴奏+泣きのギター間奏というメロディ>リズムな伴奏に、柔らかい声が被さる、爽やかな曲調で、「秋」というリリース時期が、良く似合う感じです。

初回限定版は、P.V.付き。白っぽいセットの中、模型の色塗りをするという内容のP.V.で、白っぽいセットの中で、お菓子作りしていた「Baby's Breath」のP.V.(D.V.D「Sweet Chick Girl」に収録されているのを、久し振りに再見。)と同じような造りなのは、意図的なのでしょう。曲の終盤で、細かく変わるカットと、歌のフレーズとがシンクロしていくところが、観ていて気持ち良かったです。

c/wでは、「ラブリィレクチャー」が、「魔法少女マジカルたん!」を思わせる甘い掛け声に、加え、ジュリアナとか連想させる景気の良いテクノ曲で、華やか。

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