ジョージ・R・R・マーティン「乱鴉の饗宴(下)―氷と炎の歌 4」(早川書房)
陰惨な世界なのは解ったから、・・・次巻まだ?
上巻に引き続き、戦争継続中。下巻にも、ジョンやティリオンといった理性派キャラの登場は無く、逆徒、鉄諸島、サーセイと、手当たり次第、虐殺&レイプする勢力ばかりが目立ち、陰惨な読後感でした。
世界全体を見通す(意味づける)キャラが存在せず、個々のキャラが、それぞれの立場で殺し合いを続けているだけのパートを、ぶつ切りに見る、という構造の本作では、意味の見えない殺し合い描写を続けて観ることになってしまい、読んでいて、本作の世界が、陰惨な世界だっていうのは、もう、十分解ったから、・・・という気分になってしまいました(ローカス賞を逸したのにも納得)。
ラストを盛り上げる、(何も考えずに、やりたい放題だった)サーセイ没落パートも、ジョフリーを失った経緯を思えば、周りを全く信用出来ない人間的な愚かさ故の没落といえるので、しっぺ返し感を痛快がることも出来ず。
前作でのジョンとイグリッテを思わせる、サムとジリの交流や、辛抱強く生きてきたことが、ようやく少し報われそうなサンサのパートが、やや和めて、良かったです。ブライエニーは、下巻でも勇敢に戦っていますが、報われないところも、Fate/Zeroセイバーみたい、と思ったり。
そんな本作を象徴するのは、最終章「そのころ、<壁>の向こうでは・・・・・・」。エピローグ的に、ファンタジィらしい異世界描写サービスシーンがあるものと、期待していたら、作者言い訳コーナー(本作未登場の人気キャラは、次巻に出るので宜しく)だったので、がっかり。(落胆は、早く次巻を刊行して欲しい気持ちの裏返しでもありますが。)
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