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イエス・ウィー・キャン:ヴォイセズ・オブ・ア・グラスルーツ・ムーヴメント

音楽には、色は無し

バラク・オバマの選挙キャンペーン用のコンピレーション・アルバム。

ライナー・ノートは半分以上が、オバマの演説文で、曲自体も、クワイア引き連れたライオネル・リッチーが盛り上げる1曲目「エターニティ」以外も、アメリカ、世界、約束の地とそれっぽい単語が乱舞していて、景気の良い理想主義なオバマのキャラ・ソンっぽいです。

収録作は、キャンペーン・ソングだったスティーヴィー・ワンダーの名曲「涙をとどけて」といったベテランから、U2「プライド」「オーディナリー・ピープル」風の大仰なピアノ伴奏でカバーしたジョン・レジェンドや、マルーン5のVoアダム・レヴィーンのような若手まで多彩。

ネガティブなイメージが出ることを避けるためか、攻撃的なヒップホップは、カニエ・ウェストぐらいで、メロディの綺麗なソウル~合唱系ロッカバラードが中心の聴きやすい造りになっています。中でも、懐かしのアメリカン・ロックな、ジャクソン・ブラウン「ルッキング・イースト」、ちょっと、ジェリーフィッシュ的美メロ曲の、ロス・ロンリー・ボーイズ「メイク・イット・ベター」、ゴスペル系らしからぬ、しっとり系バラードのヨランダ・アダムス「ホールド・オン」シェリル・クロウらしからぬ(?)お祭り乗りの「アウト・オブ・アワ・ヘッズ」、あたりが、好印象です。

オバマ演説をサンプリングしたケブ・モのアメリカン・ザ・ビューティフルや、ビービー・ワイナンズ「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」は、さすがにネタ臭が否めないですが、素晴らしい歌であることは確かですし、音楽自体には政治色無いので愛聴しています。

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シルフ Vol.4(アスキーメディアワークス)

声優少女マンガ雑誌かな。

少女マンガ雑誌。

声優:神谷浩史のラジオは、「さよなら絶望放送」をはじめ、「マクロスF○※△」「ラジオ 夏目友人帳~秋ノ章~」、金田朋子との「ファミ通TV」と色々聞いていて、どれも軽快な喋りが、依然心地良くて、よく聴いているのですが、その中で、(「面白い」かは別として)最も楽しく聴ける番組が、文化放送で土曜25時から放送している「神谷浩史・小野大輔のDearGirl~Stories~」です。

番組自体が、雑誌「シルフ」を開きながら聴く、というコンセプトということもあり殆ど買ったことがない少女マンガ雑誌を、買ってみることに。赤色インクで印刷してあるページや、カラーコンタクトの表2広告が、いかにも、少女マンガ雑誌っぽい、というのが第1印象。

雑誌の性格なのでしょうか、本号の巻頭カラーページは、番組イベント特集と、他作品「S・L・H」のドラマCD関連での小野大輔インタビューという、かなり声優雑誌色が強い造りに驚き。掲載マンガは読み易さより、絵の美麗さを優先しているせいか、間延び感が強くて、楽しめませんでした。

本号掲載の小説「Dear Girl~Stories~ 響」は、同番組のスピンオフ作品で、番組出演者をモデルにした(南明奈告白事件ネタが楽しい)キャラが、主人公を務める何でも屋ものです。今回は、女の子の友情を取り持つ、イイ話を手堅く纏めています。

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山田正紀「神獣聖戦 Perfect Edition (上)(下)」(徳間書店)

旧作の名を汚さない力作

全5冊のタイトルまで発表していたシリーズを、3巻あとがきで「どうでもよくなってしまい、」と放り投げた「神獣聖戦」。で、3巻収録の「落日の恋人」での綺麗な纏まりをぶち壊す、4冊目「魔術師」でのコンピュータ・ゲーム風展開の陳腐さに呆れた記憶から、20年が経ちました。

20年後の「Perfect Edition」は、当初、5冊目の仮題「舞踏会の夜」モチーフを含む上巻と、旧作からの抜粋+「SF JAPAN」先行収録部な、下巻の内容は、完結編というより、旧作設定をパラレル・ワールド的に捉えた、一種のリミックス作品でした。

a~ha「テイク・オン・ミー」(実写と線画とを行き来するプロモーション・ビデオが念頭?)を使ってのパラレル・ワールド説明には、相当、無理矢理感あります(東急VS西武と「~のソ連」ネタは、吹き出してしまいました)が、元来、力業が作風みたいなこの作者の場合、この強引さは、アリ。実際、2008年という、経済状況をはじめ、世の中の先行きが不明で、外挿法的な未来世界には説得力ゼロな現在、現実と地続きの異世界を描くには、これ位の無茶は「必要」なのかも。少なくとも、不可知論に居直るシンギュラリティ系よりは、(無茶してる意志が伝わる分、)誠実さに好感が持てる方法論です。

新作パートでは、近作の「イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ」(SFマガジン連載中)同様、毒電波妄想が炸裂していますが、具体性有る旧作パートと組み合わっていて、小説の一部になっているので、違和感無く読ませます。何でもアリな、パラレル・ワールドものなので、お話に緻密さは無いですが、旧作パートでは勿論、新作パートでも、作者らしい熱っぽい文体が味わいの力作で、少なくとも、「神狩り2 リッパー」よりは、遙かに良い読後感でした。

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芦奈野ひとし「カブのイサキ 1」(アフタヌーンKC)

先行き不安な面白さ

前作「ヨコハマ買い出し紀行」を連想させる、人の少ない未来世界を、のんびりと飛行機で放浪。

世界の大きさが10倍になった設定や、鎌倉等、神奈川近辺の固有名詞は魅力的ですが、説明描写は殆ど無く、3話に登場する地表観測機構の船等を描写して仄めかす程度。前作の美少女アンドロイドのような、萌え/オタク媚び的な飛び道具も無く、物語的には、後期わかつきめぐみが描く仙人話を読んでいるかのよう。飛行機が題材ということで、宮崎駿「紅の豚」的自己陶酔の強いノリに向かう不安もあり、危ういバランスの上に立った面白さかも。

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CAROLE KING "WELCOME TO MY LIVING ROOM TOUR-JAPAN 2008 HER BEST HITS LIVE"

風車ギター

ピアノ+ギターの弾き語りライブ。

開演前に会場を見渡しますと、「SMAP×SMAP」エンディング出演(中居正広の唄は、誠実さが味と解っているつもりです。けど…)の縁で、番組からの花輪が有ったのに感心。

席は1Fの真ん中らへん(観やすい席でしたが)でした。ライブCDは、それ程でも…と思っていましたので、CD付きのリヴィングシートでは無く、S席を取っていたので、ちょっと悔しく。とはいえ、ミキサー卓に近い席故、背中にキャロル
キング
(力強い毛筆体で)スタッフTシャツを観ることができましたので、良い面もありました。

さて、コンサートは、1時間弱のダイジェストだった去年の公演とは違って、約2時間、休憩を挟んでの2部構成で、フル・スペックの全長版です。
内容自体は、力強いキャロルの歌唱と、対照的な繊細なギター演奏が目立つ、DVD"WELCOME TO MY LIVING ROOM"準拠のライブでした。

特徴的だったのは、各所に日本語を交えたMCで、DVDでルディ・ゲスコーナーでやっていた掛け合いを、双方、日本語で演じたのには驚き。他のMCも、英語の先生のような端正なイントネーションゆっくりと喋っていて、解って貰おうという配慮が伝わる感じが好ましく。3人ギターのパートで、「一曲ごとのギター交換って、ザ・フーみたいね」とMCの後、ピート・タウンゼントばりに風車ギターして見せた微笑ましさには、思わず、吹き出してしまいました。

他にも、観客に、手拍子ばかりでなく、横振り(田村ゆかりラブ・パレードでやる振り)をさせたりして、楽しませようという配慮が嬉しかったです。熟年カップル系が目立つ客層だったせいか、「歌って」とキャロルが促した「ナチュラル・ウーマン」で、大合唱に至らなかったのは残念でした(音痴なわたしも頑張ったのですが、ゆかりんライブのようにはいかず…)。

引き籠もって星を眺めるという、歌詞内容に合わせて、背景に瞬かせた照明が綺麗な「アップ・オン・ザ・ルーフ」、音響が綺麗で、ギターが映えた「きみの友だち」、多彩なピアノ演奏を見せる作曲家時代曲メドレー、オードレーベル時代以外からの選曲が嬉しい「シティ・ストリーツ」といったところが、特に印象に残りました。

2008.11.22 東京国際フォーラム ホールAにて鑑賞。

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谷川史子「おひとり様物語 1」 (ワイドKC)

女性主人公の短編オムニバス。

カップルでないことを選択した正統「おひとり様」だけでなく、遠距離恋愛者も有りなのに驚き。読者年齢層高めな印象のある「KISS」誌掲載作のせいか、「幸せ」を見いだす手段として恋愛する話が目立ち、レディース・コミック的な気持ち悪さを感じてしまいました。

ドングリまなこキャラの絵がポップなのは、読みやすく。

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Qティップ「ザ・ルネッサンス」

2008年に、この音でいいの?…わたしは好きだけど。
ア・トライブ・コールド・クエストのラッパーのソロ2作目。

クラブ・ジャズ的な音を多用したメロディアスなヒップホップだったア・トライブ・コールド・クエストの2作目以降、90年代初期の作品は、聴きやすさと黒人音楽的なグルーブ感の共存が素晴らしく、未だによく聴きます。

解散後のソロ1作目は、わたしが、ティンバーランド系の音に付いていけず、ヒップ・ホップの良い聴衆でなくなりつつあった頃のリリースということもあり、印象は薄いのですが、その1作目リリース時から数えても、久し振りの新譜。

本作は、2008年に、この音でいいの?(Tーペインとか、ゲストに呼ばなくて大丈夫?80年代風シンセ音は?)と心配になるような、懐かしい音でした。

まず、2ndの名曲「シナリオ」を連想させる掛け声で始まる「ムーヴ」、3rdのタイトル名を歌詞で引用した「ダンス・オン・グラス」など、かつての作品を連想させる音ネタに懐メロ的嬉しさが。サウンドの方も、暖かみのあるリズム・ボックスを使った、メロディアスな90年代初頭型ヒップホップという、ア・トライブ・コールド・クエスト時代を思い起こさせる内容で、今のトレンドはどうあれ、わたしは、好きな音です。

勿論、完全に昔のまんま、という訳ではなく。ゲストのいる曲で、特にベースが、いかにも人力演奏っぽい生音志向なのが、ア・トライブ・コールド・クエストとの違いでしょうか。中でも、ヒップ・ホップでの客演は珍しい(?)ノラ・ジョーンズを招いた囁き系メロディ曲「ライフ・イズ・ベター」のまったり振りが、印象的でした。

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iQube Headphone Amplifier

クリアさが上昇する魔法の箱かも
ヘッドホン携帯アンプ。

iPODの音質が良くなる「魔法の箱(『ではない』とポータブルヘッドホンアンプまとめサイト@Wikiでは戒めていますが)」に興味を持っていたのですが、中野ブロードウェイ内のフジヤエービックを覗いてみたら、中古品が、新品の2割引価格で出ていましたので、購入(最初は、電池蓋を開けづらいとの風評でしたが、中古品故か、簡単に開きましたので、ラッキー)。

別に、DAC等、iPOD自体を代える訳じゃありませんし、イコライザ+プラシーボ効果なのでは…という懸念もありました。

が、わたしが使っているイヤホン(Triple.fi 10 PROSparkPlug+Au1の、どちらも)の場合、iPODのイヤホン端子から直接聴くより、iQube経由のほうが、音の輪郭がハッキリして、低音、高音ともに、靄が晴れたようなクリアさを感じました。

iPODで聴く場合だけでなく、TVのヘッドホン端子で聴く田村ゆかりDVDも、イヤホン直差しで聴く場合より、高音がクリアになって、歌のキラキラ感が強まって聞こえるのが、嬉しい限りです。

単4×4の電池が、1日2時間聴いて2週間以上持っていて、フル充電から3日で電池切れになっていましたので、楽になった(iPOD充電池がヘタっているってこともありますが、交換も面倒ですし。)のも、好印象。

中古品とはいえ、結構、高い買い物でしたから、納得できて幸せ。

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ビリー・プレストン「ライヴ・ヨーロピアン・ツアー」

大きなギターの音で、熱さUP

ライブ盤。既発作を(音質良との触れ込みの)SHM-CDで再発したものです。ただ、わたしのCD-ラジカセで聴く分には、違う、と言われれば、そうかなと思う…レベルで、iPODで圧縮音源聴くのが中心ですし、SHM-CDだからといって、買い換える気にはなれそうもなく。

ただ、本作の場合、US盤LPの内容に追加された、一部曲・テイク違いの旧Uk&日本盤LPの内容が目当て。

US盤の内容も、ラフな熱唱&オルガン弾きまくり大会でしたが、UK盤は、さらに暑苦しく。選曲が、US盤が、バラードの「アメイジング・グレース」だったのを、UK盤はビートルズ(ビリー作でもありますが)「ゲット・バック」に変更、というのが象徴的な、ゴスペル・クワイアのアップ曲的な縦ノリぶり。UK盤は、音源故か解像度が悪く、一つ一つが大きめの音なのが特徴です。特に、ロバート・ランドルフや、ブルース・ロックと言う言葉が浮かんで来るギター(ミック・テイラー)の音が、とても大きく、そのせいで熱演感がさらにアップしています。

正直、ブルース系は苦手なのですが、キーボード中心の解りやすいサウンドと、曲のポップさのおかげで、聴きやすいです。特に、「ハイヤー」冒頭での、ギターとタンバリン(ビリー?)との掛け合いは、躍動感が素晴らしいです。

思わず、ビリーの熱い歌唱が見られる「バングラデッシュ」DVDを見直してしまいました。

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クォーターパウンダー渋谷店

食べ応えはあり

ファースト・フードの新ブランド(ネットでは、マグドナルド電通じゃないの?という陰口も見かけましたけど)。

先日、粗挽きバーガーベッカーズ)の異様な歯応えに感動し、絶品Wチーズバーガーロッテリア)も悪くないと思っていることもあり、高目のハンバーガーもいいかな、ということで、食べてみることに。

渋谷店は、駅東口側、かつて、ファースト・キッチンが有った場所。近辺では、葬式での案内提灯持ちばりに、宣伝マンがウヨウヨしていて、少々、異様な雰囲気でしたが、土曜の13:00というのに数人並んでいる程度で、すぐに買えたのはラッキー。もっとも、店内は満席で、座るまでに、少々待ちましたが。

メニューは、2種類のセットのみで、2つの違いも「DOUBLE」の有無だけ、というシンプルさ。折角なので、大きいほうの「DOUBLE QUARTER POUNDER with cheese」セットを食べてみました。

肉自体は、確かにマクドナルド風ですが、マクドナルドより強めに焼いてある感じで、食感はやや異なる気も。パンからはみ出る大きさの2枚の肉の間に、さらに肉が挟まれていて、食べ応えはあります。チーズも厚めですし。

味付けは、ケチャップのみ、ということもあり、ダブルチーズバーガーマクドナルド)の強化版といった感じ。スーパーメガウェンディーズの肉汁/脂が恋しい気もしますが、セットのポテトを残してしまったわたしには、この位がよいのかも。

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SFマガジン2008年12月号「秋のファンタジイ小特集」

賞競り負け作も、純ファンタジィってのが、SF的に寂しく。

コニー・ウィリス「もろびと大地に坐して」☆-1
いつものように固有名詞乱舞で、説明されなくともネタが解るヒト向け。訳注でオチを説明したフレドリック・ブラウンのステーキ駄洒落ショートショートを連想しましたが、ショートショートなら兎も角、この長さでやられてもなぁ。

特集の下記2作は、純ファンタジィ。チャンのアラビアンナイトにヒューゴー賞、ネビュラ賞で競り負け作、とのこと。

ダニエル・エイブラハム「両替官とアイアン卿――経済学のおとぎ噺」☆1
経済学というか等価交換by鋼の錬金術師をテーマに、一休さん的とんち問答。金融工学とか、そっち関連全体が詭弁呼ばわりされている2008年末にコレは…綺麗に纏まった話なのは確か。


キジ・ジョンスン「〈変化(チェンジ)〉後の北公園犬集団におけるトリックスター伝承の発展」☆0
動物と少女のふれ合い話は、ありがちですが、各章冒頭の小話が魅力的。

連載 山本弘「地球移動作戦」☆0
説明。

連載 神林長平「アンブロークンアロー」☆1
他の登場人物同様、主人公の雪風心酔っぷりに少々呆れますが。揺るぎ無し。

連載 山田正紀「イリュミナシオン 君よ、非情の河を下れ」☆0
「宇宙原理」は、ちょっと面白く。

北野勇作「カメリ、子守りをする」☆2
いつもの、のほほん不条理。終盤のSF描写はサービス?。

菅浩江「トーラスの中の異物」☆0
前作同様、謎の化粧があります、というだけ。伏線状態でしょうが、本作だけでは。

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M・ジョン・ハリスン「ライト」(国書刊行会)

(懐かしの)ニュー・ウェーブ

帯の惹句によれば、ポストモダン・ニュースペースオペラとのことですが、要は、(主流文学志向が入った)ニュー・ウェーブ路線。

3つの話が、象徴っぽく絡む、解りにくい構成。3つの話の内、宇宙船船長の話とサイバーの話はやたら薄っぺらく、倦怠期夫婦の現代話だけ、ちょっと生々しい感じ。どの話も、決断して旅立ちエンドだったこともあり、同じく、複数話が並列する「マーシャン・インカ」から、イアン・ワトスン特有の強引さを削ったような読後感でした。

「パステル都市」は未読なので、解説からの印象なのですが、主流文学志向臭い、唐突なエロ暴力描写も、トム・ウェイツタルコフスキーという、作中で言及された固有名詞のマイナー・メジャーさも、懐かしのニューウェーブ風だなぁ、と思いつつ、物語には乗れずに、惰性で読了。この種の、物語性の無い文学への耐性が落ちている(=面白がれない。頭が緩くなったなぁ、わたし。)ことを、痛感しました。

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映画「僕らのミライへ逆回転」

自ジャンル自賛も許容範囲

自主映画製作は辛いよ、な内幕話。

ジャンル蘊蓄・パロディを重ねつつ「…って素晴らしい」的自ジャンル自賛をする作品じゃないか、と観る前に危惧していたのですが、そういった作品に特有な気色悪さは、少々有ります。

ただ、「2001年宇宙の旅」の天地逆転シーンの特撮トリック撮影とか、工夫の説明自体、懐かしかったですし、スクラッチやグラフィティといった古代ヒップホップ文化(80年代風シンセ音色とAutotunesで声加工が全盛の、今どきヒップホップとは、縁遠いノリ…ですが。)を連想させる描写もあり、Do It Yourself賛歌の表現と受け取れるので、本作の気色悪さも、わたしの許容範囲内に収まっていました。

お話自体は、店長と、主人公役の店員モス・デフとの疑似家族っぽい関係性、自主映画製作話、ファッツ・ウォーラートリビュート話と、色々入っているのですが、どれも曖昧なまま終わってしまいます。100分という尺で色々入れている以上、仕方ない面もありますが、強引キャラ、ジャック・ブラック主人公の明快なサクセスストーリーにせず、健気に頑張るモス・デフを主人公にしたお話にしている、ところからすると、この曖昧さ自体が、意図的なのかもしれません(資金問題という、綺麗に終わらせにくいお話を誤魔化す、っていう)。

最後が、Googleの副社長が現れて資金問題を解決してしまう、Web2.0オチだったらどうしよう、と怯えていたのですが、そんな無茶は無く。店長役のダニー・グローバーが、年の功的に、悲しいお話を纏めています。

ジャック・ブラックに引っぱり回されつつも、映画製作の発想を出したり、健気に頑張る(ラブシーン(?)もあったし)主人公のたたずまいが、「スクール・オブ・ロック」や、「テネイシャスD 運命のピックをさがせ!」といった、他のジャック・ブラック出演作のような踏み台キャラに堕していなかったのは好みですし、エンディング曲や、予告編でも使用されていた、ビリー・プレストンの大名曲「ナッシング・フロム・ナッシング」(歌詞の頑張ろう感が選曲理由?)など、音楽のサポートが強いこともあって、鑑賞後の気分は良かったです。

2008.11.08渋谷シネマライズにて鑑賞

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「StrikerS サウンドステージX(イクス)」

スバル主人公で、後半盛り上がる

アニメ「魔法少女リリカルなのはStrikerS」の後日談ドラマCD。

登場人物は、StrikerSが初出のキャラのみで、高町なのは役の田村ゆかりが出演しないのは寂しいですが、それでも戦闘機人等のキャラが多いせいか、CD二枚組のボリューム。

戦闘兵器と心を通じ合う、というドラマ展開は、「なのは」シリーズのお約束ですけれど、感情を表に出して(斉藤千和の熱演が嵌る)スバルが、後半の主人公なので、優等生過ぎる高町なのは主人公のアニメ本編より、素直に盛り上がります。ティアナも、前作ドラマCDサウンドステージ4で触れられていた伝承技の話が伏線になっていて、なのはとの繋がりを見せてくれるのは、嬉しい小ネタです。(反面、事件を追う前半の話の終わり方は、やや唐突な気も…)

作中、空についてのエピソードがあるせいか、空を見上げるStrikerS4人の後ろ姿(ブックレット裏)や、空を歌った、いかにもエンディングっぽいバラード(川田まみ「My Friend」)が印象に残ります。

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フェミ・クティ「デイ・バイ・デイ」

スロー中心なのが、少々寂しい

「ワン・トゥー」始め、前作ライブ発表曲と重なる曲を含む新作。

アフロビートには、どうしてもアップ・テンポで、アジテーション的ボーカルを求めてしまいますが、そうしたアップ・テンポ曲は、「デモクレイジー」ぐらい。本作では、スローな曲が中心なので、少々、寂しいのは確か。弟シェウンとの違いを出したかったのかもしれませんが…

スロー曲の中では、クール&ザ・ギャング「サマーマッドネス」を思わせる、淡々としたエレピ曲「ゼイ・ウィル・ラン」が良。

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桑田乃梨子「楽園番外地 1」(UNPOCO COMIX)

作者お得意のスタイル

同作者の「月刊1年2組」を思わせる、学園園芸部舞台のラブコメ。

ウンポコ誌では、初作品だと思いますが、感情表現が苦手な女子の乙女心という、作者お得意の作風なので、安心して読めました。無表情親子の会話に付けられた「※ほのぼのしたほほえましいシーン」という作者注(162頁)で、思わず笑い。

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ジーン・ウルフ「新しい太陽のウールス」 (ハヤカワ文庫SF)

異世界ファンタジィ色が薄れた続編。

「独裁者の城塞」の続きは、宇宙船内で、というお話。

前4作と同じく、主人公が何を見た、何をした、ということだけが延々と綴られていて、そのことが何を意味するのか、よく解らない小説です。

続編では、異世界ファンタジィ色が薄れた分、世界描写が減ってしまった感がありますが、14章「宇宙の果て」のような美麗な世界描写は、相変わらず魅力的です。(話は兎も角)新聞小説的にダラダラと読み続けてしまいました。

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