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オキ ダブ アイヌ バンド「サハリン ロック」

ギター・ロック的聴きやすさ
バンド名義では2nd。

「Flower and Bone」のようなごりごりのダブばかりでなく、ブルース・ロックの即興パートのような「karapto atuy Riri」、アフリカ系の跳ねるギターが入った「Bekabeka」、縦ノリが格好良い表題曲など、ソロの時以上に多彩でありながら、素朴な音色のせいか、聴き易さもあり。

インストと、オキらの歌ものと半々という構成なのですが、オキ自身の、かまやつひろしを無機質にしたような声でカタカナ英語読みっぽい歌は、ちょっと、聞きづらい局面もありました。正直、マレマレウが歌う「KONKON」や、インスト曲の方が安心して聴けます。ただ、アイヌ語を誠実に読んでいる故の、ぎこちなさ、という意味も覗えますし、歌唱力自慢大会ではないってことが、聴きやすさの一因でもあるので、痛し痒しといった感じ。

ダブ色の変音楽ということで、ジャー・ウーブルの推薦コメントに納得。

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中村融編「ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選」(SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

架空歴史のイヤラしさ
60から70年代宇宙開発の架空歴史物アンソロジー。
表題作既読なので、他6作。

架空歴史物特有の、固有名詞で興味を引こうとするあざとい話が連発するのみならず、「米ソ」の一言で世界を語れた70年代は判りやすくて良かったなぁ的懐古趣味が、宇宙開発を社会しがらみ無く出来たら妄想の夢っぽさで強調されて、ひたすら退廃的。ジェイムズ・ラブグローブ「月をぼくのポケットに」は、さらに、子供時代ノスタルジアまで加わる甘ったるさで、掌編で助かった、という感じ。


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DJプレミア,ピート・ロック「A LEGENDARY DJ BATTLE」

昔の音楽
90年代ヒップホップDJ2人による、2010年5月のライブDVD+2CD。

字幕入りのDVDが主役かもしれないけれど、まだ未見で、CD×2のみ聴き。

「ファンキー・ドラマー」等のヒップホップ素材から、80年代、90年代と順を追って、ジェルー・ザ・ダメジャ「カム・クリーン」パブリック・エネミー「シャット・エム・ダウン」といった、2人の代表作までを、短くミックステープ的に流しつつ、名前連呼や「セイ、ホー」等のヒップホップ定番フレーズで客を煽る展開。曲は大古典なので、(懐かしさ込みということもあり、)素晴らしい。ですが、2人とも声の方は、専業で無い(追悼の為かギャングスター曲で多めに流れる眠たげなグールー声も、プレミアの声よりは断然聴けるんだなぁ、悲しい)ため、聞いていて辛く。

DJ自身で煽るのは上手くいかず、マイクをステージに置いて飛び入りに任せたのが始まり(と、グランドマスター・フラッシュの談話を雑誌で立ち読んだ記憶が)、というのが頷ける、無理のある感じ。

90年代で終わっている音も、ドレイクとか、カニエ・ウェストチルドレン世代の現代ヒップホップ(好みでは無いですが)とは、全くの別物なので、現代に繋がらない歴史的アプローチって、懐古にしか思えず。

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映画「ヒックとドラゴン」

ドラゴンを操縦してヒロインを堕としつつ、劣等感解消。素晴らしい

ヨンシー@サマソニ2010で盛り上がったラス前の曲が、主題歌というのに惹かれて(「リロ・アンド・スティッチ」好きという理由もあります)。

ヨンシー起用は、デュボア監督が絡んだ「ヘイマ」での縁、というだけでなく、作品自体アイスランド~バイキング描写(冒頭の村紹介のシーン等)に説得力を与える、という理由でしょうか。

ドラゴンに方向舵付けて飛び回るってのは、操作感が感じられて、見ていて非常に気持ち良く。異世界やドラゴンに、王蟲もどきの説明用権威付けをしていない分だけ、同じ3Dドラゴン物の「アバター」より、ずっと好感が持てました。3D映画にありがちな観客を脅かす為だけの3Dでなく、ドラゴンに触れて調教シーン等、3D演出に物語上の意味を付けているところも有り難いです。CG自体も、リアル系では無くて、陶器人形のような絵柄ではありますが、瞬きで涙をこらえるバイキング父とか、キャラクタに人形劇的な説得力が有ります。

話自体は、幼稚といいますか、主人公に超才能があって、ドラゴンは交流というより道具として使う感じなので、感動とかは特に無く。ヒロインも一瞬でツン→デレしてしまい(寿"むぎ"美菜子のアニメ的可愛い声は意図的選択かも)、親もあっさり改心する、という、俺最強な願望充足物でして、わたしの大好物です。

時間が短いから、余った時間に「シュレック・フォーエバー」のダイジェスト入れるってのは、シュレックの悪意ノリを苦手とするわたしには、少々辛かったですが、他は文句無し。

2010.08.15ワーナーマイカル新百合ヶ丘にて3D版(Real-D)鑑賞。

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映画「トイ・ストーリー3」

大人媚びが気色悪く

ジプシー・キングス「きみはともだち」(スペイン語)が、作中のネタとリンクしていたのは良かったですが、唐突な、シック「おしゃれフリーク」を、B.G.M.にするシーンは、対象年齢有(?)なドリームワークス映画みたいだな…と違和感が有りました。

勿論、本筋である脱獄物プロットは、流石ピクサーと思わせる緻密さですが、エピローグ、アンデイが「親」目線で、(都合良く現れた)「次の子供」と遊んであげる展開にも同種の違和感がありました。親子モチーフに自覚的なピクサー映画とはいえ、「大人が泣ける」を狙い過ぎていて、少々あざといなぁ、と思ってしまいました。

わたしの見ていた回では、エピローグ中に、集中力が切れていた子供観客もいたみたいでしたし…

わたしの嗜好が、幼稚なだけかもしれませんが、同じ「泣ける」描写でも、「大人」を使わず、前作「2」でのジェシーのような、おもちゃ視点に留まった悲しみのほうが、断然好みです。

2010.08.11ワーナーマイカル新百合ヶ丘にて3D版(Real-D)鑑賞。

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サマーソニック2010

A.T.C.Q.の苦戦は予想してましたが…

3年ぶりのサマソニ。若々しい客層は、前回同様ですけど、女性率が増えた気はしました(韓流効果?)。

一番手は、「サカナクション」。中規模のソニック・ステージとはいえ、朝一を満杯にするのは、流石、知名度有る国産バンド。なれど、音のほうは、新曲「アイデンティティ」語尾の引っ張り方等、アジカン学校の優等生以上のものは無く。

屋台のターキー(ペットボトル大の肉が500円ですと、何か幸せ)食べつつ、会場をぶらついた後、ソニック・ステージに戻り、「ファンファーロ」アルバム同様、決めどころのトランペットをはじめ、メンバーがコロコロ楽器を変えるのは、見ていて楽しく。鼻声(「オレンジジュース」の人を連想)なヴォーカルは、ライブでもちゃんと歌えているので聴き易く。熱いからか、ホットパンツ姿のキャシーが、後ろキックでリズムを取っている姿が、キュートでした。

続けて、「ドラムス」。演奏が一本調子な、ニューウェーブ・リバイバルもので、いかにも、N.M.E.~ロッキン・オン絶賛系(へろへろ踊りが個性なのかなぁ)。

アルバム気に入っていた(銅鑼+裏声サウンドが、まんま「ペット・サウンズ」「オン・マイ・ウェイ・バック・ホーム」とか)「バンド・オブ・ホーシーズ」に後ろ髪を引かれつつ、マリン・ステージへ移動して、「サム41」。無個性な音ですが、景気の良いメロコアが、盛り上げの定番なのも確か。バックネット裏から眺めていますと、アリーナ観客の密集振り(&入退場に時間が掛かりっぷり)に驚愕。

続けて、「ア・トライブ・コールド・クエスト」。冒頭の「ミッドナイト・マローダーズ・ツアー・ガイド」女声から、懐かしさ炸裂。ですが、やはり、ブレイク・ビーツだけで、スタジアムを鳴らすのには無理が有りました。ビートは籠もり、サンプリング音は潰れ気味。他のヒップホップ系アクト同様の生バンド導入が、野外フェス的正解なのでしょう。けれど、サンプリングの斬新さが魅力だったA.T.C.Q.を否定する選択を取る訳にもいかず、苦しいアウェイ戦でした。客席の埋まり方も、メロコアとの差は歴然で、通訳をステージに挙げて呼び掛けたりして頑張るも…

ソニック・ステージに戻り、佐世保バーガー(目玉焼きの偉大さの前では、ソースとか肉とか脂の味等、些事なことに気づきました)を食べつつ、「ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ」。気怠く荒れたブルース・ロック風。芸風なのでしょうが、あまりにも、一本調子。この音と、暗いステージでライト点滅を繰り返すのに耐えるだけで、頭痛薬のお世話に(野外+移動で、体力消費していたことも有りますけど)。

続けて、「ヨンシー」。狼が鹿を食べるアニメーション等、寒々しい映像をバックに、音源-P.V.のポップさ+野太いドラム。終盤のアップテンポ曲、ラストのノイズ曲等、(ディス・ヒート的)鬼気迫る感じというか、病的にすら思えるテンションの高さで圧倒。

気力限界に達したので、「レイトリー」を歌ってるスティービー・ワンダー(会場モニター)を横目に撤収。

2010.08.08幕張メッセ、千葉マリンスタジアムにて鑑賞

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