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川原礫「ソードアート・オンライン プログレッシブ1」(電撃文庫)

アニメ版1クール目での、収まり悪いオムニバス感が気になって、原作小説「ソードアート・オンライン(SAO)1」を読んで事情に納得。

原作小説では、アニメ版1話の次が8話の内容で、デス・ゲーム!の衝撃を伝えた1話ラストから、僅か10頁後にデレまくりの正ヒロイン宅で暢気に肉喰う、という展開で、生まれて初めて書いた長編小説(1巻後書きより。多視点群像劇を書けないからハーレム展開になる、という3巻後書きの弁解にも、驚愕)というのが納得できる唐突さ。その後も、主人公に都合良い場面以外はスキップする、これぞジャンル「俺TUEEE」な構成。

同作者の「アクセル・ワールド」以上に、これはあんまりなんじゃ…と思いつつも、読んでいる時の爽快感が強いのも確かで、NPCを進化させてしまう、という最新11巻での超越者ぶりには、もう、トコトン行く所まで行ってくれと、感服してしまいました。

で、アニメ版1話と8話との間にあたる部分は、原作小説側では、小説2,8巻に正副ヒロイン番外編として収録されており、これらを、時系列順に3~7話に配して「俺TUEEE」となる理由を説明しているのが、アニメ版の構成なのですが、辻褄合わせしたくなるのは、(具体的に絵で示す必要のある映像作品では、)共感できるものの、原作小説の理不尽さと表裏の勢いが、アニメ版のオムニバス構成では削がれてしまった気がします。

で、アニメ化部分の内、残る2話での第1層ボス攻略と、その続きの2層ボス攻略を、書いたのが本作「…プログレッシブ1」。ゲーム設定説明を交えて、正ヒロインとの馴れ初めを描いています。バトル中心の前半はともかく、後半は5話「圏内事件」と同趣向の、ゲーム設定後出しでトリックを説明するミステリ仕立てには、アンフェア感を持ちました。ただ、ネット・ゲームに慣れていれば、「あるある。」と納得できる設定なのかも。

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